涼宮ハルヒの生活と欲望

別にハルヒの話ではないのだが、見出しは派手なほうがウケがいいので、ついカッとなってやった。今は反省している
涼宮ハルヒをミステリ史に位置づける前に気をつけるべきことを書く際に、苦労して物置の奥底から涼宮ハルヒシリーズを引っぱり出してきた。すぐに片づけるつもりだったが、このまま収納してしまうと次に手に取るのがいつになるのかわからないので、その前に調べ物をしておくことにした。
何を調べたのかといえば……まあ、見りゃわかるか。

タイトル 電撃文庫 趣味 人生 今一番欲しいもの(その1) 今一番欲しいもの(その2)
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう! バイクと麻雀 自転車操業 心の余裕 別の人格
涼宮ハルヒの溜息 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』シリーズ バイクと麻雀 自転車操業 心の余裕 別の人格
涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』シリーズ バイクと麻雀 右往左往中 無料で牌譜取ってくれる人 脳内物質
涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』シリーズ バイクと麻雀 五里霧 安眠マクラ 機械の身体
涼宮ハルヒの暴走 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』シリーズ バイクと麻雀 呉越同舟 昔買った本を部屋のどこにしまったのか思い出す手がかり 悪夢消去装置
涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう! バイクと麻雀 七転八倒 予知能力 脳内バッテリー充電装置
涼宮ハルヒの陰謀 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』『電撃!! イージス5』『絶望系 閉じられた世界』 バイクと麻雀 三寒四温 無限の収容空間を持つ本棚 名状しがたき戦慄
涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫) 学校を出よう!』『電撃!! イージス5』『絶望系 閉じられた世界』 バイクと麻雀 艱難辛苦中 ポジティブな思考 昔読んでまた再読したいと思ってるんだけどタイトルも作者名も思い出せない本を「それはこれだよ」と言って差し出してくれる人もしくは装置

『憂鬱』と『溜息』では「今一番欲しいモノ」だったのが『退屈』以降は「今一番欲しいもの」に変わっていることに気づいたが、そんなことはどうでもいい。どうでもいいといえばこの表自体がどうでもいい。でも、せっかく調べたのだから分析とまではいかないにしても、少し気づいたことを述べておこう。

  1. 『憂鬱』と『溜息』はほぼ同内容だが、『退屈』以降毎回内容が違っている。これはシリーズの長期化を見越して変化をつけようとしたものと推測できる。
  2. 趣味は「バイクと麻雀」で固定されている。これは、仕事が忙しすぎて趣味の幅を広げる余裕がないということを暗に示しているのかもしれない。あるいは、何も考えていないのかもしれない。
  3. 「人生〜」に続く語句は四字熟語+「中」のことが多いが「五里霧中」は熟語の中に「中」が含まれている。また「呉越同舟」には「中」は含まれていないが脚韻を踏んでいる。今後「百発百中」や「一撃必中」のようにポジティブな熟語が登場するのかどうか今後の動向に注目。
  4. 『憂鬱』と『溜息』を除けば「今一番欲しいもの」は形のある「物」と抽象的な「もの」がセットになっている。
  5. なぜか『ボクのセカイをまもるヒト』が無視されている。

全然関係ないのだが、涼宮ハルヒシリーズって小松左京の「女のような悪魔」に似ているような気がする。悪魔みたいな超能力をもったハルヒがどんどん丸くなってただの女になっていき、それに対してハルヒに虐げられていたキョンのほうが……というあたり。
似てない? あ、そう。
さて、本を物置へ持って行くことにしよう。