猛スピードのヴァン・ダイン

昨夜に続き、古典ミステリ映画『ケンネル殺人事件』を見た。原作は同題の『ケンネル殺人事件 (創元推理文庫 103-6)』で、これは大昔に読んでいるが、非常にベタなトリックの密室殺人を扱っているということしか覚えていなかったので楽しめた。やー、犯人全然わからなかったよ。
もっとも、この映画、原作にどこまで忠実かはわからない。なんたって中国人が出てくるんだから。それは御法度でしょう*1。また、ヴァン・ダインの小説はテンポがとろくてユーモアのかけらもないというイメージがあるのだが、この映画はとにかくめまぐるしく場面が変わり、登場人物がやたらと早口でまくし立てるのが特徴だった。ゆっくり推理する余裕もないが、どうせ推理してもわかりっこないので、これはこれで構わない。
しかし……どうも誰か重要な登場人物が抜けているような気がするのだが……。う〜ん、誰だったっけ。マーカム地方検事もヒース部長刑事もドアマス医師もちゃんと出てくるし……。
あっ!
この映画にはヴァン・ダインが出てこない!

*1:見ているときに本当にそう思った。誤解に気づいたのは見終わったあとのことだ。もうボケボケだ。