ダブった……

昨日、行きつけのレコード店ブリリアント・クラッシクスの「イタリアバロックのオラトリオ集」*1という2枚組のCDを買って*2帰り、一晩あけて早速聴こうと思ったのだが、そういえば先月買って未開封のままのCDが何枚あったということに気づいてそっちを先に開けてみると、同じCDが入っていた。ああ、何という怪奇! 昨日買ったCDを入れた袋に開封した痕跡がないのに、先月買ったCDを入れた袋からそのCDが出てくるとは。だがしかし、この世には神秘も奇蹟もない。何か合理的な理由があるはずだ。たとえば、奸智に長けた犯罪者が仕組んだトリックがあるのかもしれない。
謎が解けたのはそれからわずか30秒後のことだった。昨日買ったCDを入れた袋からも「イタリアバロックのオラトリオ集」が出てきたのだ゛。つまりこういうことだ。先ほど先月買ったCDを入れた袋から取り出した「イタリアバロックのオラトリオ集」は一見したところ昨日買ったそれと非常に酷似していたため、一瞬、ふたつの未開封の袋の中で人智を超える不可思議な移動が行われたのかと錯覚したのだがさにあらず、実は両方の袋に最初から「イタリアバロックのオラトリオ集」が含まれていたということなのだ。真相を知ってみれば、これほど簡単な話はない。やはりこの世には神秘も奇蹟もないのだ。
幻想が消滅し、あとには幻滅が遺された。
900円損した。

おまけ

ダブり繋がりで、最近見かけたちょっといい話。


■ 2007年06月23日(土)
◆御手洗清志版「占星術殺人事件」初版本をまたブックオフで拾う。これで三度目か。しかも解決編未開封積読は昔も存在したのだねえ。
ちょっとだけ解説すると、島田荘司の『占星術殺人事件』に登場する名探偵御手洗潔は、初刊本では「御手洗清志」*3という名前だった。これは知っていて損のない知識*4だ。

*1:ジョヴァンニ・レグレンツィジャコモ・カリッシミのオラトリオが収録されている。詳細情報はここを参照。

*2:そのほか14枚買ったが、いちいちタイトルを書くのも面倒だし、今日の話題には関係ないので省略。

*3:幽遊白書』にも同名の人物が登場するが、それよりずっと前の1981年に『占星術殺人事件』は世に出ている。

*4:類似例としては、米澤穂信の「Do you love me?」に登場する名探偵の名前が「度会みこと」から「渡良瀬みこと」に変更されたことが挙げられよう。こちらは知っていても別に得にはならない知識だが。