シリーズの取り扱い

2007年上半期ラノサイ杯結果ページ(新人・新作部門)を見ると、『楽園ヴァイオリン―クラシックノート (コバルト文庫)』が入っていた。あ、これはノンシリーズという扱いなのか。
で、投票要綱を改めて読み直してみた。以下、「投票時の注意点」からシリーズ関係の注意書きを引用してみる。

  • 対象期間以前に既刊がある作品はシリーズ部門です。対象期間中に新刊が無いシリーズは投票できません
  • シリーズ部門は「1シリーズ1票」となります。対象期間中に発表された作品であればどれに投票しても問題ありません。
  • 期間中に新書版と文庫版など、版型の違う作品が出版された場合、それぞれ別シリーズとして集計します
  • シリーズ化前提でも期間中に1冊しか出てない場合は新人・新作部門です
  • 対象期間中にデビューの新人でも複数冊出している場合はシリーズ部門です。
  • 同一世界観でもシリーズ名が変わっている場合は別々に集計します
  • その他、一部の作品は集計人の判断でシリーズと単発を分類しています

集計上の都合もあってこのような規定になっているのだと思うが、いくつか疑問がある。たとえば、期間中にシリーズ作品が2作以上出ている場合はどれに投票しても同じ扱いになるのだが、そうだとすると、投票した作品は単に「シリーズを代表する符丁」ということになる。それはそれでいいのかもしれないが、シリーズ内の特定の1作品のみに思い入れがある場合、何とかして投票者の意図をくみ取れないものか。
このほか、平和の温故知新@はてな - 2007年上半期ライトノベルサイト杯 運営結果報告の「投票不備について」と「その他反省点について」で部門わけのルールについていくつかの課題が提示されていて、この種の企画の制度設計の難しさが窺われる。
もともと「シリーズ部門」と「新人・新作部門」という分け方は排他的なものではないのだから、新人の新作でかつシリーズ作品であるなら両方に重複して投票することを認めるというのもひとつの手だと思う。ただし、そうすると集計が無茶苦茶大変になるのだろう。
集計の手間を考えなければ、「新人部門」「休止シリーズ復活部門」「越境部門」「学園異能部門」などなどいっぱい部門をこしらえてみると楽しいのではないか……と気楽なことを言っておこう。