ファンタジーの言語

映画「アズールとアスマール」をみた。
ふだん一人で映画をみることはほとんどないのだが、この映画はちょっと気になっていて、今度夏コミで上京したときにまだ上映していたらみてみようと思っていたのだが、映画「アズールとアスマール」公式サイトを見ると、関西でも上映していることがわかった。てっきり「王と鳥」と同じくシネマ・アンジェリカの単館上映*1だと思いこんでいたのだが、近場*2でもみることができるのなら夏コミを待つまでもない。そこで、今日外出したついでにみてきたというわけだ。
アズールとアスマール」はフランス映画だが、舞台の大半はアラビアで、現地の人々はアラビア語を喋っている。アラビア語の台詞には字幕がつかないので、何を言っているのか全然わからない。これはフランスで上映されたときからそうだったようだ。日本語吹き替え版でもフランス語の部分だけで、アラビア語はそのままになっているらしい。
現実の世界だと他国に行けば言葉が通じないのは当たり前のことだが、フィクション、とりわけファンタジー色の強い作品で、ここまで「言語」を意識させられることはあまりないのではないだろうか。この趣向は面白いと思った。
ただ、この映画をアラビア語圏で上映するときはどうするのだろうか? アラビア語の台詞を別の言語に吹き替えて観客にわからないようにするのでないと、制作者が意図した効果は上がらないと思うが、さてそこまでするのだろうか? ちょっと気になった。
今回は字幕版をみたが、もう一度鑑賞する機会があれば、今度は吹き替え版をみてみたいものだ。

*1:ただし、確か1週間だけ大阪でも上映していたはず。

*2:といっても、渋谷よりは近い、という意味だが。