環境問題のジレンマ

素人なので - REVの日記 @はてな経由で発電所 - kmizusawaの日記を読んでみた。暴論といえば確かに暴論だが、REV氏のコメントは大きく的を外しているように思った。少なくとも、発電所を減らして電力不足に陥ったときに電力会社の社員の不手際を誹るような、そういう論調ではない。
実際の執筆順はどうなのかは知らないが、次の順番で読めば筆者の意図は比較的明確にみえてくるように思う。

  1. エコに関するよくわからない話(わかってないのはわしだ) - kmizusawaの日記
  2. 発電所 - kmizusawaの日記
  3. kmizusawaの日記*1
  4. わしが今の行政も参加しての「エコ推進」の空気の何が嫌かって言うと(同じようなこと前にも書いたが) - kmizusawaの日記
  5. kmizusawaの日記*2

最初のほうは、目的と手段の不一致に関する指摘だが、徐々に環境問題の大きなジレンマへと踏み込んでいく。その議論のプロセスが興味深い*3
節電が善行であるならそれを推奨すべきだろう。節電による省資源効果が限定的だとしても推奨を差し控える理由はない。そして、節電を推奨することが暗に電気の無駄遣いを非難することに繋がったとしても、それは当然のことである。
ただし、善行を推奨し悪行を非難することが、より大きな善行や悪行を見逃すことになるのなら、「それは当然のこと」と言ってすませることはできない。慎重で緻密な比較考量が大切だ。けれども、比較すべき他の事柄は無数にあり、いちいちひとつずつ検討していては何も判断できない。ここには人工知能におけるフレーム問題にも似たジレンマがある。
このジレンマをどう処理すればいいのか明確な指針を示すことはできない*4ので、今はここにジレンマがあるということだけを強調しておくことにする。まあ、元記事を読めばわかることではあるが。

*1:この項には見出しがない。

*2:この項にも見出しはない。

*3:ただし、全面的に賛成というわけではない。

*4:これもまたジレンマの一部をなす。