ぎくしゃくした会話

8月末

A
最近ネットで面白い文章を見つけたよ。
B
へー、どんなの?
A
かわいそうなロボ」っていうんだけど、これがもう凄くよくできたパロディなんだ。有名な「かわいそうなぞう」を下敷きにしているんだけどね。
B
じゃあ、一度読んでみるから、URLをメールで教えてよ。
A
うん、わかった。

9月中旬

B
君から教えてもらった「かわいそうなロボ」を読んだよ。
A
面白かっただろ?
B
うん、地方交付税削減に対する筆者の憤りがひしひしと感じられたよ。
A
えっ?
B
交付税削減は戦争にも比すべき大悪事だと主張したいわけなんだね、「かわいそうなロボ」の作者は。
A
え、ええっ? いや、あれはただのジョークじゃないかと思うんだけど……。
B
なに言ってるんだい。「戦争をやめろ」という心の叫びは「かわいそうなぞう」のキモじゃないか。それが「かわいそうなロボ」では「交付税削減をやめろ」に置き換えられているんだから、ここに「かわいそうなロボ」を書いた人が強く訴えたいメッセージがはっきりと示されていると考えるのが筋だろう? 君はどうして作者の意図を読み取れなかったんだ!
A
そ、そうだったのか……??
B
わかったかい?
A
うん、わかったよ。パロディを理詰めで解釈しようとすることの限界が。