青年のための……

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ」は女学園が舞台であり、それはもう殆ど「青年」は登場しないor脚光を浴びない。それがなぜタイトルになっているのかというと、ネタバラシになるが小説の終わり頃で女学園が「○○」状態になるからだ(めんどくさいので伏字しておく)。

青年のための読書クラブ』のタイトルに「青年」が入っているのは、この本には収録されていないプロトタイプの短篇「青年のための推理クラブ」に由来するのではないかと思う。この短篇には、タイトルに「青年」が入っている十分な理由があるのだが、まさにその理由により作品集などへの収録が困難になっている。もしかすると、タイトルを変えて収録されることがあるかもしれないが。
「青年のための推理クラブ」が掲載された小説新潮2006年6月号は大きな図書館ならさほど苦労せずとも見つけられるはずなので、興味のある人は一読してみるといいと思う。今となってはちょっとアレなアオリ文句が微笑ましい。
余談だが、「青年」という言葉には性別を表す要素は含まれていない。「少年」でも同じことだが、特に女性の少年を指す「少女」という言葉があるのに対して、「青年」にはそれに対応する「青女」という言葉すらない……と思ったが『青女論―さかさま恋愛講座』という本があるそうだ。今度暇があったら読んでみたい。