「聖地巡礼」は日本の風景の再発見のことと見つけたり

北日本新聞 2008/12/31付け朝刊に、富山の城端を舞台のモデルにした「true tears」についての記事があったので紹介。

…で、この記事を読んでふと思いついた事を一つ。これって「アニメをきっかけにした日本の風景の再発見」だよね?

引用タグのCITE要素でページ内リンクのアンカーまで含めた参照を行っていいのかどうか知らないので、とりあえず上では該当ページURIを書いておいた。引用したのは1月12日付「ついに北日本新聞でも「true tears」繋がりで「聖地」「巡礼者」の言及が!」なので、ここをクリックすれば当該記事に飛べます。
さて、本題。
物語の舞台やモデルとなった場所を探訪するという旅行スタイルはかなり昔からある。昔は文学作品が中心だったが、今ではアニメが主となっている。そう考えると、昨今の「聖地巡礼」に特殊事情はないことになるのだが、でもやっぱり昔とは何かが違うという気がする。
たとえば、ぎをらむ氏の一連の積極的な活動を見ていると、そこには何か異質な要素があるのではないかと思う。たとえば、最近の例だと、夙川にカメを投げ込んではいけませんとかここは飛び出し注意など、どう考えても谷川流作品と何の関係もない。前後のコンテストを無視してこれらの記事だけ見せられたら、「ああ、後天性無気力症候群というのは、路上観察趣味のサイトなんだな」と思うことだろう*1。実際、ぎをらむ氏の活動はいまやほとんど路上観察と言って差し支えない。だが、そうはいっても、その背景に「聖地巡礼」があるということも確かだ。
では、一般に「聖地巡礼」は路上観察へと至る道なのか? いや、さすがにそれはないだろう。ぎをらむ氏の個人的な興味関心を一般化するのは乱暴だ。
らき☆すた』関係の盛り上がりをみると、御陰参りにも似ている。すると、「聖地巡礼」もまた一種の踊狂現象なのか? うーん、これもちょっと極端な解釈だ。
……というようなことを少し前からぐだぐだと考えていたのだが、なかなかいい考えが思い浮かばなかった。そんなときに読んだのが冒頭で掲げた文章だ。そうだ、日本の風景の再発見だ。ディスカバー・ジャパンだ。アンノン族だ。
あ、でも、アンノン族って1970年代における文学作品の舞台探訪の主要な担い手だったんだよな。じゃあ、やっぱり「聖地巡礼」に特殊性はないということになるな。ああ……。

追記

ブクマでぎをらむ氏から次のようなコメントを受けた。

でも「夙川にカメを投げ込んではいけません」は「涼宮ハルヒの陰謀」に被せたネタだったのに、気付いてもらえなかったのは密かに心残りです。orz

そう言われてみればそんなシーンもあったような……。

*1:もちろん、「路上観察」という言葉を知らなければ、そのような感想を抱くことはないが。