青森県vs.青森県教育委員会(特別サービス! 原文にない色つき)

外壁のコンクリートの中には、セメント袋や木くずが詰まっていた―。弘前南高(青森県弘前市)第一体育館の改修工事で、青森県教委が施工業者の調査を通じて、外壁がもろく耐震性に問題があることを把握していたことが16日、関係資料から裏付けられた。それ以前にもは耐震補強の必要性を再三指摘していたが、最終的な対応は耐震性に無関係の工事の追加発注だけ。結果的に生徒の安全が軽視された格好だ。

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側は協議の中で、受託する追加工事の内容を記した書面を県教委に提出。そこでは「再三、耐震診断実施とそれを踏まえた工事を要望したが、依然として雨漏り防止工事にとどめられている」と指摘し、「追加分は建築物の耐震性を増す工事ではなく、適切な耐震補強を検討の上、別途工事を実施する必要がある」とまで記されている。

弘前南高(青森県弘前市)の第一体育館が大規模改修工事後に耐震不足と分かり、解体されることになった問題で、弘前市民オンブズパーソンは19日、無駄になる総工事費約7156万円が不当な公金支出に当たるとして返還を求め、青森県監査委員に監査請求した。着工主体は県教委だが、予算の執行責任者が三村申吾知事であるため、知事あてに請求した。

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工事監理に当たる側は、着工前の07年5月と工事中の同10月、2度にわたって耐震強度不足の可能性を指摘。しかし、県教委耐震診断や耐震補強をせず、雨漏り補修目的の追加工事の発注にとどめていた。

県教委が「からは工事の中止までは指示されなかった」と弁明すると、が「工事内容を決めるのは発注者の県教委だ」と反発。互いに責任を押し付け合い、いまだに責任の所在は明確になっていないのが現状だ。

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青森公立大の天野巡一教授(自治政策法務論)は「県教委も都合の悪いことに目を向けず、場当たり的な対応をした結果だ。当事者意識に欠けている」と指摘。

「学校設置者はなのだから、最終的な責任は知事が問われる。学校施設整備はが総合計画を立てて行うなど、仕事の在り方自体を見直すべきだ」と提言している。