見出しの印象

どちらも同じ話題を扱い、長崎市人事課のコメントをもとに「二重」という言葉を見出しに掲げているのだが、西日本新聞の記事はに、朝日新聞の記事は給与に焦点をあてているので印象が全く違うものになっている。
先に西日本新聞の記事を読んだとき、なんでこれが税の二重取りにあたるのかがよくわからなかった。ふつう税の二重取りというのは、同じ事柄に二重に課税・徴税されることをいうのではないか。
その後、朝日新聞の記事を読むと、人事課長のコメントが掲載されていたので、ようやく理解できた。そのコメントへの賛否の表明は控えるが、なるほど、このコメントをそのまま見出しに使えば「税の二重取り」という言い方になるだろう。
しかし、人事課長がそういう言い回しを使ったということは事実だとしても、その内容をよく考えれば、納税者から税を二重に取るという話ではなく、職員が報酬を二重に受け取るという話をしているのだということは容易に理解できる。問題の焦点は徴税にではなく支給/受給のほうにある。西日本新聞新聞の見出しのつけ方はやや煽りっぽいと思った。
ところで、一般職の職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例施行規則第8条をみると、第2号で「職員が証人、鑑定人、参考人等として国会、裁判所、地方公共団体の議会その他官公署へ出頭する場合で、その勤務しないことがやむを得ないと認められるとき」に特別休暇が認められることになっており、裁判員裁判員候補に選ばれた場合はこの条項を用いるのだと思うが、その少しあとに「長崎市職員互助会の長期在会者慰労招待旅行のため勤務しないことが相当であると認められる場合」とか「長崎市職員互助会の長期在会者招待旅行のため勤務しないことが相当であると認められる場合」という規定があるのが興味深かった。