「シカと衝撃」の衝撃

「衝撃」という鉄道用語に引っかかっている人が多いようだが、問題の本質はそこではないだろう。シカの脅威が首都圏*1にまで迫っているということのほうが重要だ。
鉄道車輌は比較的重いのでシカがあたったくらいではなかなか脱線することはないし、線路の上しか走れない乗り物だから目の前にシカが飛び出しても慌てて避けようとしてハンドルさばきを誤ることもない。だが、道路を走る自動車の場合だと、シカの出現は死に至る危険のある重大事だ。
シカが人間の活動域に盛んに出没するようになったことは生物多様性の危機の一つの表れだが、「生物多様性」という言葉を見聞きするだけで抽象的・観念的な話だとか、ごく特殊な価値観をもった人々だけの世界の事柄だと思われているようで、何とも歯がゆい限り。

*1:関東地方と首都圏の違いは山梨県が入るかどうかだそうだ。