DMVは観光資源! DMVは地域活性化の切り札!

徳島県DMVの実証実験を計画しているそうだ。それは別に構わないのだが、それを報じた記事にやや不安を感じた。

県は、鉄道線路と道路の両方で走行が可能なDMVデュアル・モード・ビークル)の導入を目指し、今秋からJR牟岐線などで実証運行を開始する。DMVJR北海道が開発中で、実用化されれば鉄道よりも安価に導入・維持が可能な利点がある。観光資源にも活用でき、県などは地域活性化の切り札として期待を寄せる。

【略】

特に第三セクター阿佐東線では赤字解消の打開策の一つとして期待も大きく、県交通戦略課は「高知県室戸市などを含めた『鉄道空白地帯』で人の流れが生まれ、地域の活性化につながれば」と話している。【阿部弘賢】

この記事だけではよくわからないので、平成23年度6月(肉付け)補正予算(案)の概要 | 徳島県から阿佐東地域DMV実証運行事業の説明資料を含むPDFファイルを探して読んでみたのだが、やはりどうもピンとこない。以前書いたことだがDMVの話題を見聞きするたびに、なんでバスじゃいけないのだろう、と思ってしまうのだ。観光資源? うーん。
ところで、今回の実証実験は徳島県内のみで行われるようだが、阿佐東線の終点、甲浦駅高知県東洋町に所在する。この町は数年前に全国的に話題になったところなのでご存知の方も多いだろう。

2007年、田嶋裕起町長(当時)が高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地選定に向けた文献調査を町議会に諮らないまま原子力発電環境整備機構(実際に最終処分場として受け入れるかは別として、調査を受け入れることによる補助金が目当てだったと真相報道 バンキシャ!(日本テレビ系)及びワイドスクランブルテレビ朝日系)の取材で明らかにしていた)に申請していた。この事は「ワイドスクランブル」が最初に取り上げた事から発覚した。

推進派と反対派で町政が混乱し、橋本大二郎高知県知事(当時)や、隣接する徳島県飯泉嘉門知事も反対する中、田嶋が「町民の真意を問いたい」として辞職したことに伴う4月22日投開票の出直し町長選挙では、反対派の沢山保太郎が田嶋の2倍以上の票を得て初当選。4月23日に応募撤回を表明、原子力発電環境整備機構側もこれを受け、取り下げる方向で話を進めるとしており、事態は終息に向かいつつあるが、町民同士の間に出来た溝が埋まらなかったため、その時期に行われる予定だった300年の歴史がある五社神社大祭が初めて中止になった。

この事件とDMVとはもちろん直接関係があるわけではない。にもかかわらず、なんだか「なるほど」*1と思ってしまった。

*1:この「なるほど感」は都会の人にはわかりづらいかもしれない。だが、心配することはない。あと何年かすれば日本中どこに住んでいても、同じ感じ方を共有できるようになるだろう。