「某哲学者」
最初のまとめを読めば何が言いたいのかはだいたいわかるが、いちおう最後まで読んでみた。
途中で「某哲学者」という表現が出てきて、どう考えてもウィトゲンシュタインのことなのになんで伏せるのだろうか、と不思議に思った。また、伏せるなら伏せるで、なんで最後まで徹底しないのかということも疑問に感じた。
あと、もうひとつ大きな疑問がある。この論者は言葉の意味は話者の意図に依存するというハンプティ・ダンプティ的な言語観を持っているようでいて、そのくせ「文脈」という言葉を多用している。さらには「文脈意図」という、あまり見聞きしない言葉まで使っている。ふつう発話者の意図と発話の文脈というのは全く同じだということはないのだが、いったいどうやって意図と文脈の緊張関係を調停しているのかが全く不明だ。
ところで、「言葉を使用していない西アフリカのモシ族」にはびっくりした。言葉を使用しない人間社会がこの世に存在するのか?
あれ? 言葉を使用しているようですが……。
もしかして、「文字=言語」だと思っているのだろうか。それとも何かの勘違い?
謎だ。
無文字社会の歴史―西アフリカ・モシ族の事例を中心に (岩波現代文庫)
- 作者: 川田順造
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/07/16
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 13回
- この商品を含むブログ (13件) を見る