バッハの名前による

先日、ラジオを聞いていたら、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」という変なタイトルの曲を流していた。こんな曲だ。

この映像の1分49秒から1分55秒にピアノのパッセージが挿入されている。最初ラジオで聴いたとき、これは「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調」の幻想曲からの引用だろうと思ったのだが、あまり音感のいいほうではないので特定できない。いや、音感のよしあしは関係ないか。
とりあえずピアノによる演奏とチェンバロによる演奏1つずつにリンクしておくので、興味のある人は聴いてみてください。


で、「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」に話を戻す。
この曲のタイトルになぜバッハが出てくるのだろうか? 音楽的にはたぶんバッハとは関係がないだろう*1。このタイトルは歌詞としても用いられていて曲中で何度も繰り返されているが、歌詞の内容に着目してもなぜバッハなのかがわからない。偏見かもしれないが、ラヴソング*2で言及する作曲家としてはバッハはあまりふさわしくないような気がする。モーツァルトショパンのほうが普通なのでは?
と、考えているときにふと思い出した歌がある。
これだ。

なんでブルジョワ気分ならシューベルトなのか当時は全然理解できなかった。今でも全然理解できないが、無理して理解しようとしなくてもいいだろうと思うようにはなった。
ちなみに「ベートーベンだねRock'n'Roll」と「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」はどちらも歌い始めがBから始まるという共通点がある。有声音であり、かつ、破裂音でもあるBから始めると曲調の力強さを印象づけることができるという効果があるのかもしれない。
ところで、バッハといえばNTTドコモのテレビCM「森の木琴」を忘れてはならない。

「忘れてはならない」などと偉そうなことを書いたが、実はこのCMを初めてみたのは1週間前のこと。数ヶ月前に一部で話題になっていたことは全然知らなかった。
この演奏方法ではバッハ以外はまず考えられないだろう。納得の選曲だ。

*1:「たぶん」と書いたのは、バッハの音楽から和声進行を借りて別の旋律をのせるというような技巧を使っていたとしてもわからないからだ。

*2:「バッハの旋律を夜に聴いたせいです。」の紹介記事を読むとラヴソングだそうなのでそう書いたが、本当にラヴソングかどうかは知らない。