歯と詰め
以前、書店でマクロビオティック関係の本をぱらぱらと繰っていたら、人間の歯の構成比を根拠として適切な食物の配分比について書いてあったのだが、その本は買わなかったし今となっては本のタイトルすら忘れてしまったが、さっきここを読んでふとそのことを思い出したのでネットで検索してみると、似たようなことを書いているサイトがいくつか見つかったので、そのうちのひとつから引用してみよう*1。
人間は生物学的に「動物界、脊椎動物門、哺乳綱、獣亜綱、真獣下綱、霊長目、ヒト上科、ヒト科、ヒト属、ヒト」という分類になりますが、ヒトの歯は全部で32本。そのうち臼歯は20本、切歯が8本、犬歯が4本で構成されています。臼歯は「うす」のような形をしていて、おもに穀物や豆、種子をすりつぶして食べるのに適していると言われています。切歯は野菜類や海藻を噛み切るための歯、犬歯は肉や魚を食いちぎるための歯だと考えられています。
肉食動物は草食動物をさいて食べるために、犬歯やノコギリのような臼歯が発達しているように、備わった歯の形や本数から考えると、ヒトの場合は全体の八分の五が穀物、八分の二が野菜や海藻、八分の一が動物性の食品という割合で食べることが体にふさわしいのではないかと推測されています。
この理屈は一見するともっともらしいのだけど、少し立ち止まって考えてみると額面どおりには受け入れられない。「八分の五」とか「八分の一」とかの割合は重量ベースなのか、体積ベースなのか、それともカロリーベースなのだろうか? まさか、金額ベースということはないだろうが、ともあれ、どの基準で考えるかによって人間の体にとってふさわしい食物の割合が違ってくるというのはいただけない。
もうひとつ疑問なのは、人間の歯の機能は果たして本数にそのまま比例するものかどうかということだ。たとえば人間の臼歯と犬歯の数が逆だったとすればこの理屈では穀物と肉・魚類の適切量も逆になるはずだが、犬歯の数が今の5倍あれば、肉などを食いちぎる能力も5倍になるというような単純な話にはならないだろう。
これはあくまでも素人考えなので、より専門的な知識をもっている人ならもっと具体的で説得力のある見解を述べることができるだろう。たぶん、どこかで誰かが言っていると思うので、ご存じの方は教えてください。
追記
見出しを「歯と詰め」にしたので、どこかで「詰めが甘い」と書いておこうと思っていたのに、結局忘れてしまった。変な見出しをつけてごめんなさい。
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*1:ここまで1文。悪文の見本。