日本の原子力発電所立地市町村の地価調査基準地価格一覧表(作りかけ)の補足説明

上の記事をアップした際に忘れていた補足説明をいくつか。

  • 原発立地市町村は日本の原子力発電所 - Wikipediaの「稼動中の原発立地」による。ただし、市町村コード順に並べ直してある。
  • 基準地は平成22年を基準に選択した。従って、平成21年の基準地で平成22年には基準地ではない地点は含んでいない。また、基準地番号も平成22年を基準としている。高浜5-1伊方5-1は平成21年と平成22年で地点が異なり単純比較ができないため、「平成21年価格」欄と「平成22年変動率」欄にデータがないことを示す「…」を記入した。
  • 「用途」欄の「住宅」は住宅地、「宅見」は宅地見込地、「商業」は「商業地」、「準工」は準工業地、「工業」は工業地、「調区」は市街化調整区域内の現況宅地の略。なお、地価調査ではこれらの用途的地域のほか林地も調査対象としているが、市町村別検索ができないので割愛した。
  • 変動率は当年の値と前年の値の差を前年の値で除したものを百倍し、四捨五入により小数点以下1位まで表章した。
  • 原発立地市町村の平成22年対前年平均変動率を平成22年都道府県地価調査の概要掲載の全国・地方圏の平均変動率と比較すると下の表のとおり。
区分 住宅地 商業地 全用途
原発立地市町村 -3.1 -4.7 -3.5
全国 -3.4 -4.6 -3.7
地方圏 -3.6 -4.8 -3.9

この表から、平成22年の原発立地市町村の地価の動向は、地方圏全体に比べて下落幅が小さいことと、三大都市圏を含む全国の動向に類似していることがわかる。
では、「3.11」を経た平成23年地価調査の結果はどうか、というのが興味の焦点となるわけだが、これはあと半月くらい経たないとわからない。
福島県内の原発立地市町の基準地は現在立ち入り禁止になっているので、たぶん調査していないのではないか*1と思う。平成23年平均変動率を計算する際には、これらの基準地を除外することになるだろう。
悩ましいのは、他の東日本大震災被災地をどう取り扱うかということだ。津波などの被害で当然地価に大きな影響が出ているだろうから、原発立地が地価にどの程度影響しているのかを見てとるのは難しい。また、それ以外の地域でも海抜の低い低地は来るべき津波災害への懸念が地価に影響を与えていると考えられるので、仮に大幅に地価が下落していたとしても、直ちに原発忌避が原因だとは言うことができない。
もう一つ、今年3月に九州新幹線鹿児島ルートが全通したので、薩摩川内市内の基準地価格が上昇または下落幅縮小している可能性がある。この影響も除外しないと、原発立地要因を正しく取り出すことができない。
というふうに考えていくと、どうもこの企てはうまくいかなさそうな気がしてきた。うまく行かないとわかっているなら、時間と手間をかけるのは無駄だから、だんだん意欲が失せてきた。むぅ。