ピアノ線上のアリア

日曜日の午後は何となく気分が沈みがちだ。何もせず惰眠をむさぼっていたい。だが、日曜日に昼寝をすると夜に寝付けず、月曜日の朝に寝不足になる。これはいけないので無理に起きているのだが、でも何もする気にならない。
ちょうと手許にレーガーがピアノ4手用に編曲したバッハの管絃楽組曲のCDがあるので、今それを聴いている。

2枚組で、管弦楽組曲全曲(BWV1066-1069)*1のほか、有名なオルガン曲「パッサカリアとフーガ(BWV582)」と「トッカータとフーガニ短調(BWV565)」と「前奏曲とフーガ ニ長調(BWV552)」の編曲版も収録されている。
管絃楽組曲第3番の第2曲は「G線上のアリア」として知られている。この名称はヴァイオリンのG線だけで弾くように編曲された版のものだが、今ではバッハの原曲も「G線上のアリア」と呼ばれる。また、ヴァイオリンのG線はドイツ語ふうに「ゲーセン」と呼ぶのが一般的だが、曲名としては「ジーセンジョーノアリア」と呼ばれることが多い。けっこういい加減な話だ。
レーガーの編曲版にももちろん「G線上のアリア」が含まれている。だが、ピアノにはG線はない。いや、Gの音を出す弦はあるから、それを「G線」と呼ぶのかもしれないが、少なくとも、その弦だけではこの曲は演奏できない。なら、「ピアノ線上のアリア」と言ってみるのはどうか、などと、どうでもいいことを考えてみた。
そんなこんなで時は流れて、夕方になった。ああ、まだ宿題が終わっていない。明日、提出できないと廊下に立たされてしまう。どうしよう。焦燥感が募る。
ふと我に返ってみれば、宿題などなくて、明日学校に行く必要もない。
それにしても、日曜日の午後は気がふさぐ。

おまけ

レーガーは「ブランデンブルク協奏曲(BWV1046-1051)」も編曲しており、CDが出ているが、こちらは持っていない。いつか聴く機会もあるかもしれないので、忘れないように記しておく。

*1:残念ながら「第5番(BWV1070)」はない。レーガーが編曲していないのか、それともバッハの真作ではないから外したのかは知らない。