コンパクトシティvs.新幹線

新青森は郊外の田畑に造られた新駅。市は周辺約46ヘクタールを宅地開発し、うち18区画3.9ヘクタールを08年からホテルや飲食店向けに発売したが、売却できたのは2区画0.8ヘクタールのみだ。

東日本大震災の影響で一時、観光客数が伸び悩んだことに加え、原因は都市計画にある。市は車に頼らず生活できる「コンパクトシティ」を掲げて07年、国の中心市街地活性化基本計画の第1号認定を受けた。郊外の乱開発抑制は「金看板」。新青森駅前も売り場面積3000平方メートル以上超の商業施設や一部を除き高さ20メートル超の建物を拒むなど規制が多い。地元の不動産業者は「その割に価格設定が中心街並みに高く、業者は敬遠している」と話す。

コンパクトシティを目指す青森市が郊外で46haもの宅地開発をしているとは知らなかった。青森市の新青森駅周辺整備計画のページをみると、

  1. 東口駅前広場周辺は、観光客やビジネス客の利便性を考慮し、中心市街地と競合しない程度の商業、宿泊施設及び広域からの集客が期待できる施設の配置、誘導を図る。
  2. 西口駐車場周辺は、地区や周辺住民の利便に供する施設及び交通の利便性を生かした集合住宅などの配置、誘導を図る。

と書いてあるのだが、「中心市街地と競合しない程度の商業」というのは、ちょっと無理があったのではないかと思う。
新青森駅単なる乗換駅と割り切って、青森駅付近の中心市街地へと人を誘導するための整備に限っておけばよかったのではないかとも思うのだが、まあいろいろ事情があってできなかったのだろう。
今となっては後の祭り。規制緩和や値下げで販売促進して「中心市街地と競合する程度の商業」を目指すか、それとも塩漬けのままにしておくか。いっそ、緑地公園か何かに転用する……というのは無理かなぁ。無理だろうなぁ。