日曜日の午後はけだるい上にクリスマスだからYouTubeでアルヴォ・ペルトの「フラトレス」でも聴いてゆっくり過ごそう

というわけで聴いてみた。

「フラトレス」には多くのヴァージョンがあるが、これは古楽器ヴァージョン。

1977年にエストニア古楽団体ホルトゥス・ムジクスからの委嘱によって作曲された作品で、「ティンティナブリ様式」による書法で生み出された、ペルトの作品の中で最も演奏頻度が高く且つ有名な作品である。なおタイトルの「フラトレス」は「親族、兄弟、同士」といった意味を指す。

後にペルト自身がいくつかの異なる楽器のために編曲され、独奏ヴァイオリンと弦楽合奏の版や、ヴァイオリニストのギドン・クレーメルのためにヴァイオリンとピアノのための版が現在多く演奏されている。

上の動画で演奏されているのはたぶん原曲だと思うが違ったらごめん。
「フラトレス」の数々のヴァージョンを収録したCDなども発売されているので、何度も聴いたことのある曲だが、古楽器での演奏を収録したCDはなぜか見かけたことがない。まあ、ペルトの音楽が入ったCDなら何でも買っていたのは今から10年以上前のことだから、見落としているだけだと思うが。
「フラトレス」には脱力系と焦燥系*1の2系列があって、たぶん古楽ヴァージョンは脱力系だろうと想像していたので、実際に聴いてみてもさほど驚きはなかったのだが、編成はやや意外だった。てっきりヴィオールコンソートか何かの渋い単音色編成だと思っていたのだが、リュートとかクルムホルンとかが入り乱れて結構賑やかだ。なんかラヴェルの「ボレロ」みたいだ。でも、「ボレロ」とは違って全然盛り上がらずに最後までローテンションで押し切るのがペルト節。

*1:というのは今勝手に名付けただけなので、もっとほかに言いようがあるだろうと思う。