今年の読書の目標

去年はこのような目標を掲げていた。

  • 海外ミステリを5冊以上読む。
  • 国内ミステリを10冊以上読む。
  • ライトノベルを3冊読む。
  • 最後のライトノベルの3冊というのは、今年出る予定の『狼と香辛料』最終巻と『涼宮ハルヒの驚愕』上下巻*1だが、『狼と香辛料』はともかく『涼宮ハルヒの驚愕』はこれまで何度も出る出ると言われ続けてきた作品なので、今年もどうだかわからない。出なかったら今年読むラノベは1冊きりということになる。何かの弾みで思わずラノベに手を伸ばすことはあるかもしれないが、ないかもしれない。

まずライトノベルの読書結果からいえば次のとおり。

読みかけたが、上巻の内容をよく覚えていなくて何がなんだかわからなくなり、これは上巻から読み直さなければならないなぁ、と思って中断したまま、それっきり。
狼と香辛料〈17〉Epilogue (電撃文庫)

狼と香辛料〈17〉Epilogue (電撃文庫)

買っただけ。手つかず。滅多に限定版など買わないのだけど、ふとした気の迷いで予約してしまった。どうせ予定期日には出ないだろうから予約は流れてしまうだろうという見込みもあったのだが、大いに外れてしまった。
「驚愕」は「分裂」の続きだから先にそちらを再読してから……と思ったまま積ん読状態。
というわけで、年初に予定していたライトノベルは1冊も読まなかった。
その代わりに読んだのは次の2冊。
僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)

僕の妹は漢字が読める2 (HJ文庫)

今年もほとんどラノベを読むことはないだろうと思うが、今、読みたい本が1冊だけある。創芸社クリア文庫第1弾の『RAIL WARS!-日本國有鉄道公安隊-』だ。最近、ラノベ関係の情報から遠ざかっているので知らなかったのだが、作者はガガガ文庫から『僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない』という本を出しているらしい。そういえば、このタイトルにはかすかに記憶がある。
ラノベと鉄道はあまり相性がいいとは思わないので、「僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない」というタイトルでは食指は動かないのだが、「日本國有鉄道公安隊」だとちょっと興味を惹かれる。
その昔、日本には鉄道公安官という制度があった。正式には「鉄道公安職員」だが、俗称の「鉄道公安官」のほうが一般的だった。島田一男の小説や、テレビドラマなどのタイトルにも「鉄道公安官」が用いられている。
「公安」というのは要するに警察のことだが、日本では「公安警察」という言葉が示すように、警察一般というより、その特殊な一領域を指すことが多い*1。しかし、鉄道公安官は公安警察ではなくて、刑事警察の領域の制度だ。警察官ではない者が特定の分野でのみ警察官と同等の権限を有するという、いわゆる「特別警察職員」の一つだ。
今となっては歴史に埋もれてしまったようなこんな制度を21世紀に引っ張り出して小説の題材にするというのは、なかなか意欲的だと思う。冷静に考えれば、ラノベにおいて意欲的な取り組みは空振りに終わることが多いので、あまり期待しすぎてもいけないのだが、もしかすると、『こちら郵政省特配課』のような傑作かもしれないという期待は容易にぬぐい去ることができないのであって、これを完全に、徹底的に、完膚無きまでに、払拭しつくすためには、実物を読んでみるほかはないのである。
で、問題は、創芸社クリア文庫なんてちゃんと田舎の書店に入荷するかなぁ、ということなんだけど、どうでしょう?
ラノベの話はここまで。あと2冊、去年出版されていたのに、そのことを年末に人から教えてもらうまで知らなかった本があって、それも今年読んでみたいと思っているのだけど、そのあたりの話は省略。
次に、SFの話。
去年、SFを何冊読んだか覚えていない。少なくとも1冊読んだのは確かだが、それ以外にも読んでいるかどうかが思い出せないのだ。毎年、読了した本は手帳に記録しているのだが、去年、車上荒らしに遭って手帳がとられてしまったので確認できなくなってしまったのだ。
少なくとも読んだことが確かな1冊とは、これだ。
果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

日本SF史に燦然と輝く傑作なので、「これまで読んでいなかったのか!」と呆れられてしまいそうだが、実は小松左京の長篇はあまり読んでいない。子供の頃から小松左京の短篇を好んで読んでいたのだけど、長篇は何となく敬遠していた。『日本沈没』すら読んでいない。それにしても惜しい人を亡くしたものだ。
今年はSFを2冊読もうと思っている。年末に海外物と国内物を1冊ずつ買ったためだ。
都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

『都市と都市』は出てからまだ間もないが、『虐殺器官』は元版が2007年に、文庫版が2010年にそれぞれ出ていて、高い評価を受けていることも知っていたのだが、これまで手を出していなかった。なぜなのか、と訊かれても困る。世にこれだけ本が溢れているのだから、そういうこともある。
次にミステリについて。
昨年は海外ミステリ5冊以上、国内ミステリ10冊以上という目標を立てていた。我ながら無謀とも思える高いハードルだったが、海外ミステリのほうは5冊以上は読んだはずだ。5冊までは数えていたから確かだ。その後、何冊読んだのかはわからない。古典の新訳なども冊数に含めていいのかどうか、などと考え始めると、さらによくわからない。
Zの悲劇 (角川文庫)

Zの悲劇 (角川文庫)

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫)

昔読んだミステリは記憶の中で美化されていて、今読むとたいしたことなくてがっかりするのではないかと思ったのだが、やはりベスト級の傑作は違うもので、犯人やトリックを知っていても面白く読むことができた。なお、『火刑法廷』の墓場からの死体消失トリックをドライアイスを使ったものだと勘違いして覚えていたことはここだけの秘密だ。
国内ミステリのほうは、特に気合いを入れて数えなくても10冊くらいは読めるだろうと思っていたので全然数えていなかったが、どうやら10冊読んでいないのではないかという気がする。いや、かつかつ10冊は読んであるか?
昨年残念だったのは、米澤穂信の新刊が出なかったことだ。出れば必ず読むので、もし10冊出ていれば、それだけでノルマを達成できていたはずなのだが。とはいえ、米澤穂信は年間に10冊も本を出す作家ではない。
そこで、今年はハードルを少し下げて、海外・国内ともに5冊ずつ読むことを目標にすることにした。これなら無理なく読めるはずだ。
以上、とりまとめると今年の目標は次の通り。

  • 海外ミステリを5冊以上読む。
  • 国内ミステリを5冊以上読む。
  • 海外SFを1冊以上読む。
  • 国内SFを1冊以上読む。
  • ライトノベルを3冊以上読む。

小説についてはこんな感じ。あたはマンガとか新書とかをちょこちょこと。

*1:わざわざ「日本では」と断ったののは理由があるが、本題から大きく外れるため説明は省略する。このあたりの事情をミステリに取り入れた事例があるが、当然のことながら作品名を明示することはできない。米澤穂信の初期の代表作とだけ言っておく。