女姓婚

夫婦は同じ姓を名乗ることが民法で定められている。「女姓婚」は女性側の親との養子縁組を前提とする従来の「婿(むこ)養子」とは異なり、婚姻届の夫婦の氏欄で「妻の氏」を選択するだけで実現する。

なんか変な感じ。
「○○婚」といえば、「妻問婚」とか「集団婚」などのように婚姻制度を指す言葉をイメージするのだが、ここでいう「女姓婚」は単に夫が妻の姓に変えるというだけで、特定の婚姻制度を指しているわけではないから、やや仰々しい言い回しのように思われるというのがひとつ。
もうひとつの理由は、こうだ。仮に結婚後の姓の選択方法を「○姓婚」という言い方で表すなら夫婦同姓は「同姓婚」ということになるだろうが、「同姓婚」というのは通常、結婚前に同姓だった男女が結婚することを指す。「別姓婚」なら結婚前に別姓だった者どうしの結婚だ。つまり、「女姓婚」は既成の「○姓婚」とは言葉の組み立て方が違っている。
これらはもちろん言語感覚のレベルの話であり、論理的におかしいというわけではないので、「女姓婚」が今後流布していくなら徐々に違和感は薄らいでいくことになるだろう。だが、「男姓婚」なしに「女姓婚」だけ広まっていくのはバランスが悪いなぁ、と思うのですが、如何?