シリアル・ノミネーション

世界遺産暫定リストに掲載されている九州・山口の近代化産業遺産群はシリアル・ノミネーションという考え方で登録を目指しているそうだ。で、その「シリアル・ノミネーション」とやらは何のことかというと、

一つ一つでは顕著な普遍的価値の要件を満たさない遺産を、同じ歴史ー文化群のまとまりとして関連づけ、全体で顕著な普遍的価値を有するものとして、世界遺産に推薦することをいいます。シリアル・ノミネーションの構成資産の分布は、一国内の場合もあれば、複数の国にまたがる場合もあります。

ということらしい。
うーん。これって、合わせて一本ということだろうか?
一方、検索してみると、こんな記述もあった。

世界遺産センターの説明によると、シリアルは個別の地域が個々に世界遺産の価値に合致しなくてはならず、さらにそこに統一したテーマがあるもの、とされている。個別地域の管理計画の他、全体としての管理計画があることが望ましい。

これは2003年の第1回「世界自然遺産候補地に関する検討会」の資料に書かれていたものだ。自然遺産についての説明だということと、今から9年前の2003年当時の資料だということに留意する必要がある。
ところで、国立西洋美術館で今週末に国際シンポジウム「20世紀建築と世界遺産―シリアルノミネーションにおけるOUVの議論をめぐって―」が開催されるそうだ。タイトルでは「・」抜きの「シリアルノミネーション」だが、案内チラシ【PDF】の文章では「シリアル・ノミネーション」となっており、表記に揺らぎがあるのが興味深い。