ぶよぶよとしたしまりのない国
右肩上がり - 一本足の蛸の続き。グラフを再掲する。
このグラフを作ってみようと思ったのは、数日前のことだった。
何の弾みだったかは忘れたが、Twitterで次のように呟いたのがきっかけだ。
もっとも、鳥獣被害の恐れというのは都市郊外化の主要な問題ではない。第二次世界大戦に擬えるのに都合がよかったので、猪鹿蝶を引き合いに出しただけで、そのような「敵」を措定しなくても都市郊外化は問題だらけだ。
たとえば、シートン俗物記の[自滅する地方]シリーズを読むと、豊富な写真つきで、地方都市の抱える病理が摘出されている。残念ながら、3.11以降には[自滅する地方]シリーズの新しい記事はないが、問題そのものがなくなったわけではない。この記事群は今でも十分啓発的機能を失ってはいないと思われる。しかし、具体例に重きを置く一方で、シートン氏は統計データをほとんど提示していないため、定量的な分析がほとんど見られない*1。
そこで、そもそも「都市の郊外化」とは数量的にみればどのような現象なのか、どの程度の規模とスピードで都市は拡散しているのか、ということを考えているうちに、発作的に作ってみたのが上のグラフというわけだ。これは、今考えている大きな問題へのアクセスの第一歩に過ぎないのだが、その第一歩にも統計的な難点が含まれている。その話を始めると長くなるので、またの機会に。