ごみ屋敷と晒し者

ごみを自宅にため込み、近隣住民に迷惑をかける「ごみ屋敷」対策に、東京都足立区が“アメとムチ”を駆使した包括的な条例で取り組む方針を決めた。

撤去に応じない場合は家主の氏名を公表するなどの強硬策をとる一方で、撤去費用の補助や、収集癖がエスカレートした家主への精神面でのサポートも盛り込む。国土交通省によると、「ごみ屋敷」は全国各地で問題になっているが、「ここまで包括的な条例は聞いたことがない」としている。

これはたぶん(仮称)足立区生活環境の保全に関する条例(案)のことだと思う。「精神面でのサポート」というのが条例案に含まれているのかどうかはよくわからないが、記事で解説されているその他の要素はだいたい盛り込まれているから、まず間違いないだろう。
先日、空家対策条例について少し調べてみたが、人が住んでいても空家同然またはそれ以上に周囲の生活環境に悪影響を与える場合があるのだから、こういう条例案が出てくるのは当然といえば当然かもしれない。
ただ、氏名公表制度というのは法に基づき刑罰を科すのではなく社会的制裁に委ねるというやり方なので、本当にそれがいい方法なのかどうかというのは、もうちょっと慎重に考えてみてもいいのではないかと思う*1のだが……。もっとも、この論点については今のところ自分自身の考えもまとまっていないので、今日のところは投げっぱなし。

*1:これは道徳と法の腐れ縁 - 一本足の蛸でも少しだけ触れた。