低炭素?

最近、「低炭素」という変な言葉をよく見聞きするようになった。今年はとうとう「都市の低炭素化の促進に関する法律」と題名に「低炭素」を含む法律もできた*1
ウィキペディアには「低炭素社会」という項目がある。

低炭素社会(ていたんそしゃかい, Low-carbon society)とは、二酸化炭素の排出が少ない社会のこと。低炭素型社会、脱炭素社会ともいう。低炭素経済(ていたんそけいざい, Low-carbon economy)は経済システムを重視した概念であるが、基本的には同じである。

もとは英語のようで、なるほど「Low-carbon」を直訳すれば確かに「低炭素」だが、それにしてもこの言葉は変だと思う。「低カロリー」とか「低血圧」とかなら「カロリーが低い」「血圧が低い」ということなのだけど、「炭素が低い」というのはおかしな言い回しだ。子供が少なくなることを「低子化」って言いますかね?
いや、これは「二酸化炭素の濃度が低い」という意味なのだ、と言われるかもしれない。でも、二酸化炭素のことを「炭素」と省略するのはいかがなものか。言うまでもなく二酸化炭素と炭素は全然別の性質をもつ。「赤化ロシアはロシアだ」*2とは言えても「二酸化炭素は炭素だ」と言えば嘘になる。
ほかにもっとましな言い方はなかったものだろうか? 「低炭酸」とか……あ、「炭酸」も二酸化炭素とは別の物質か。炭酸 - Wikipediaによれば、純粋な炭酸を作り出すことも成功しているそうだ。
んー、なかなか簡潔でわかりやすく正確な表現というのは難しいものですな。
特にオチはありません。

*1:まだ法令データ提供システムには掲載されていないようなので法律案にリンクしておく。

*2:「○○化○○」という構造の複合語で適当なものがほかに思い浮かばなかったので、死語を引き合いに出してしまった。ごめん。