これは小説ですか?
- 作者: 樋渡啓祐
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まあ、個々のエピソードはどうでもいいのだけど、ちょっと気になったのが237ページに書かれている次の記述だ。
武雄でまちづくりを真剣に考えている人たちのネットワークもどんどん、外に広がるようになった。活気がやる気を生み、やる気がさらなる活気をうむ。好循環が回りはじめるのを実感していたが、それが数字に現れてきた。若い世代が徐々に武雄に移り住むようになり、流出人口を流入人口が上回ってきたのだ。急速な高齢化にも歯止めがかかった。
地域別統計データベースから武雄市の転入人口と転出人口のデータを引っ張ってきたので、掲げておく。
調査年度 | 転入者数 | 転出者数 |
---|---|---|
1996 | 1963 | 2224 |
1997 | 1908 | 2207 |
1998 | 2004 | 2228 |
1999 | 1924 | 2138 |
2000 | 1936 | 2293 |
2001 | 1928 | 2304 |
2002 | 1909 | 2282 |
2003 | 1809 | 2020 |
2004 | 1784 | 2106 |
2005 | 1752 | 1989 |
2006 | 1540 | 1967 |
2007 | 1675 | 1928 |
2008 | 1582 | 1832 |
2009 | 1668 | 1918 |
2010 | 1571 | 1598 |
2011 | 1633 | 1693 |
この本は2010年に出版されたものなので、「流出人口を流入人口が上回ってきた」というのはその少し前のことだと思うが、上の表を見る限りでは、武雄市は一貫して転出超過の状態にある。もっとも、このデータは合併後の武雄市の領域で組み替え集計したものなので、旧武雄市の範囲に限れば転入超過になっているのかもしれない。あるいは、若者世代に限れば転入超過なのかもしれない。
『首長パンチ』に書かれていることがフィクションでないとすれば、どこかに典拠となる統計データがあるはずだが、探すのも面倒になってきたので、これ以上の詮索はしない。