商店街はさまざまな理由により衰退したのであり、ひとつの理由で衰退したのではない

今日はあまり時間がないので、まずTwitterで呟いた感想文の転載から。
ここまでが購入直後の呟き。以下、全部読み終わった後の呟き。
ツイート中で言及した『商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道 (光文社新書)』は昨年発売された本で、商店街の歴史を丹念に辿って、商店街の衰退理由を論じた名著だ。モータリゼーションの進捗などの交通・土地利用関係の状況変化への言及がほとんどないという驚くべき潔さが特徴で、これまでの商店街論とは一線を画している。学者が書いた本なので、現に商店街再生に取り組む人々に実践的な処方箋を提示しているわけではないが、基礎知識として読んでおいて損はない。
だが、巻頭で商店街の衰退理由について大胆な主張を行っている『商店街再生の罠』には、『商店街はなぜ滅びるのか』への言及は全くない。ちょっと気になって、久繁哲之介の地域力向上塾を覗いてみたが、やはり言及されていなかった。Twitterでは「読んでいないはずはないと思います」と書いたが、ちょっと不安になってきた。
そのかわり、久繁哲之介の地域力向上塾で興味深い記事を発見した。樋渡啓祐・武雄市長が久繁哲之介の提言「公立図書館運営をブックオフ、ツタヤへ委託」を実現という記事だ。手放しで称讃しているように読めるが、2012年5月5日の記事であることに留意しなければならない。当時、まだ武雄市図書館問題の全体像は明らかにはなっていなかった*1。今ならどういう見解になるのだろうか。

*1:もっとも、情報セキュリティの観点から5月4日には高木浩光@自宅の日記 - 武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨てで既に問題提起がなされていた。ちなみに、拙文武雄市図書館は市長所管ではない - 一本足の蛸は5月5日。