「凶器」に関する備忘録
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/10/02
- メディア: 文庫
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で、最近、Twitterで次のようにつぶやいた。
いちおう補足説明しておくと、「歯と胴」は泡坂妻夫の初期短篇で1冊まるまる傑作揃いの『煙の殺意』に収録されている。「歯痛の思い出」も泡坂妻夫の短篇で亜愛一郎シリーズ。『歯と爪』はB.S.バリンジャーの代表作。「おとなしい凶器」はロアルド・ダールの『あなたに似た人』に収録されている名作。どれもこれもミステリ愛好家であれば基礎教養として読んでいるはずの有名作ばかりなので、内容の紹介はしない。
さて、一夜あけてから、ふと「凶器」についてこんなことをつぶやいた。
「妖魔の森の家」の作者はカーター・ディクスンだが、字数の都合で「カー」と書いた。『カー短編全集2』の表題作でもあるし、目くじらを立てる人はあまりいないと思うが、いちおう言い訳しておく。
「妖魔の森の家」は人間消失テーマであり凶器トリックではないのだが、「凶器」の凶器消失トリックと似ているところがある。そこで調べてみると、「凶器」が発表されたのは1959年で、「魔の森の家」(江戸川乱歩訳!)の3年後だった。よって、松本清張は、この作品に影響を受けて「凶器」を書いたのではないかと思ったのだ。
これをつぶやいてから「おとなしい凶器」の初訳について調べてみると、EQMM日本語版の創刊第2号、すなわち「魔の森の家」の翌月号に「おとなしい兇器」として訳出されていた*2なので、どちらが「凶器」により大きな影響を与えたのかはわからないな……と思っていたところ、さらに一夜明けてこんなリプライをもらった*3。
えっ、オルツィ?
モリー夫人は女性探偵の草分けとしてミステリ史に残っているので知識としては知っていたが、昔、今より読書意欲が旺盛だった頃にはまとまった形で読むことができなかったし、訳書が刊行された頃にはすっかり読書力が減退した後だったので、残念ながら未読。
レディ・モリーの事件簿―ホームズのライヴァルたち (論創海外ミステリ)
- 作者: バロネスオルツィ,Baroness Orczy,鬼頭玲子
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 単行本
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