『ボトルネック』を読み解く試みのための無用なメモ

ボトルネック

ボトルネック

予想以上にぎをらむ氏が苦戦しているようなので、こそっと助言、というか茶々。
行きて帰りし物語」という類型に当てはめて『ボトルネック』を読み解こうとするなら、どうしても見逃せないキーアイテムがある。それは往復きっぷ*1である。主人公は金沢駅芦原温泉駅までの往復きっぷを買い、帰りのきっぷを財布に入れたまま別世界の金沢へと飛ばされる。ここに何か哲学的な意味があるのではないかと考えられる*2
ちなみに、作中の往復きっぷには次のような特徴がある。

  • 片道の営業キロが601キロを超える場合には、行き・帰りの運賃がそれぞれ1割引となるが金沢〜芦原温泉間は100キロにも満たないので往復割引はない。
  • 有効期限は片道きっぷの2倍。金沢〜芦原温泉間だと2日間となる。従って、金曜日に買った往復きっぷは月曜日には期限切れで使えない。
  • 金沢駅の自動券売機では往復きっぷは販売していない。よって、主人公はこのきっぷをみどりの窓口または旅行会社などの有人窓口で購入したことになる。

*1:作中では「往復切符」と表記されているが、乗車券類の総称としての切符は仮名書きされるのが通例なので、ここでは「往復きっぷ」と表記する。

*2:もちろん、全然意味がないかもしれない。