読むのが先か、出るのが先か

狂乱家族日記 伍さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 伍さつめ (ファミ通文庫)

長らく積ん読状態にあったが、最近ようやくライトノベルを読む程度には読書意欲が回復してきたので、手を付けることにした。ほかにもまだまだ未読本は多いのだけれど、積ん読冊数で日日日を超えるのは金庸だけ*1で、しかも金庸の小説はライトノベルではない。よって*2日日日を先に読むことにした。
……ああ、日日日だ。
タイトルからもわかる通り、これはシリーズ5冊目で、しかも次巻に話が続いているので、ストーリー全体についての感想を述べるのは控えておくが、いつもの日日日節は健在で、なかなか面白かった。日日日のシリーズ作品の中では「狂乱家族日記」はキャラクターとシチュエーションの奇矯さのわりにお話は平凡でやや退屈だという印象を持っていたのだが、だんだんうまくなっているのがわかる。この楽しみは、1冊目から順に読んできた読者でないとわからない*3だろう。
さて、続いて『狂乱家族日記 六さつめ (ファミ通文庫)』を読めばとりあえずこのシリーズの積ん読は解消だ……と思ったら、近々『狂乱家族日記 番外そのいち (ファミ通文庫)』というのが出るそうな。
ああ、まるで賽の河原で石を積んでいるようだ。

*1:ちゃんと数えてはないが、10冊くらい積んであるはずだ。

*2:何が「よって」なのかわからない人もいると思うが、そこはそれ、日本語特有の「非論理の論理」があるものとそこはかとなく察してもらいたい。

*3:ここで述べられている「本当に面白い小説はどこから入ったって大丈夫」という考え方には同意できない。「狂乱」はどうもそういうタイプの小説ではないようだが、世の中には前のほうで伏線を張って後のほうでそれを意外な形で回収して読者を感服させるという技巧を用いた小説もあるのだ。