たまには趣味範囲外の本でも

1ヶ月以上も間があいてしまった。
ブランクがあると何をどう書いていいのかがわからなくなる。そもそも日常生活で文章を書く機会はあまり多くないし、書くにしてもごく特殊な種類の文章だ。何も決まりがなく、テーマも分量も自分で勝手に考えて書けばいいという文章はかえって書きにくい。
とりあえず、さっき読み終えた本について書くことにしよう。
この本は先日、書店の新書コーナーで見つけて、なんとなく面白そうだと思って買った本だ。
「一本足の蛸」ではこれまで、土地利用や地価という話題を扱ったことが何度もある。その意味では、全く趣味の範囲外たというわけではないのだが、金融とか投資とか、そういった分野にはあまり関心がないし、ハウツー本は一般に興味がないので、見出しで「趣味範囲外」と書いた次第。
タイトルに「2014年からが最後のチャンス」と書かれているのだから、これは今読まれることを想定して書かれている本だとすぐにわかる。1年も経てば賞味期限切れになっていることは間違いない。
本当は、こういう本は後から読んだほうが面白い。著者の予想の精度がどのくらいなのかが手に取るようにわかるからだ。だが、そういう本は概して後に残らない。世の中うまくできている。
この本の「はじめに」に次のように書かれている。

この本を手にとっていただいてありがとうございます。
私は昨年10月に『世界のお金持ちが始めた「日本買い」に乗る方法』(小社刊)という書籍を刊行しました。その表紙の帯には、「資産をつくる最後のチャンス『インフレ大転換』を見逃すな」というキャッチフレーズがありました。アベノミクスの登場、株高の到来を予測したのです。
「はじめに」の冒頭では、「1990年代のバブルはインフレによるバブルでしたが、現在の日本に充満しているのはデフレバブルです」と書きました。バブルはいずれ破裂し、終わるものです。私はその時期が近いことを予測し、それがデフレからインフレへの大転換になると予測しました。

去年の10月の段階でアベノミクスの登場を予測したというのは凄いことだ。これは、ぜひとも詳細を確かめてみたいものだ。

世界のお金持ちが始めた「日本買い」に乗る方法

世界のお金持ちが始めた「日本買い」に乗る方法

でも、この本、まだ入手できるのかなぁ……。今度、大きな書店で探してみます。本は本屋で買う主義なので、ネットは使わないよ。
で、もう一つ興味深いのが「デフレバブル」という言葉。平成初期のバブル経済の印象が強いせいか、インフレとバブルはしばしば似たようなものだと捉えられる傾向があるが、もちろん全く別ものなので、デフレ期にもバブルが発生することがあって、たとえば数年前のファンドバブルなどがその典型なのだが、ここでいう「デフレバブル」とはそういったデフレ期に発生するバブルのことを言っているのではなくて、デフレという現象そのものを逆向きのバブルに喩えているわけで、それが興味深いことだと思ったわけです。
バブルといえば、最近こんな本も読んだところ。
なぜ、バブルは繰り返されるか?(祥伝社新書)

なぜ、バブルは繰り返されるか?(祥伝社新書)

『不動産投資でこう儲けなさい!』は、あまり不動産のコアな話題がなかったので、ちょっと拍子抜けしたのだが、「なるほど、こういう考え方があるから、バブルが繰り返されるのだな」と納得できる点が多々あり、その意味で大変面白い本でありました。
最後に、この本の本文の前に掲げられている言葉を引用しておこう。

※本書で示した情報によって生じたいかなる損害や逸失利益についても、著者ならびに発行者、発行所は責任を負いません。投資の決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。