最近、ラノベ以外の小説が読めなくなって困っています。

えー、見出しにも書いたとおり、最近、ライトノベル以外の小説*1が読めなくなってしまい、非常に困っているわけであります。いや、別に困ることなんかないべ、とおっしゃる方もいらっしゃることでしょう。もちろん、娯楽としての読書なのですから、一般論としては、ラノベばかり読もうがマンガばかり読もうが、別に困ることは何もないわけです。しかし、一般論ではなく個別の事例になってくると、やはりラノベばかり読むのが困ることもあるわけでして、たとえば、これからラノベ作家になろうと志して実作に励む人が読む小説がラノベばっかりだとすると、結果は縮小再生産にしかならないわけで、これはこれで非常に困ったことでありましょう。もちろん、そのような人はたいていデビューできないので、困るのは本人だけだという考えもありましょうが、最近のラノベ出版業界の動向を見ると、必ずしもラノベばかり読んで他の小説を読まずに投稿したと思しき作品が落選するとは限らないということは、読者諸賢には既にご存じであらせられられ、あれれ? もとい、皆さんも知っていることでしょう。
そんなことを書きますれば、「じゃあ、お前もラノベ作家を目指しているのか?」と問いつめられそうですが、め、滅相もございませんです、はい。困っている理由は全く別のところにありまして、要するにラノベ以外の小説も読みたいのに、頭と目玉がラノベに最適化されてしまい、他の小説を受け付けなくなってしまったということなのです。ああ、ラノベじゃないミステリが読みたいよぅ。
というわけで、問題はごくごく私的な事柄なんでありますが、そのままストレートに書いてしまったのでは、世間一般の方々の関心を得るのは難しいわけで、先に「ラノベしか読まないラノベ作家志望者」の話を書いたわけですが、ついでなので、その逆の例も挙げておきましょう。
知人の某氏はかつてラノベ作家を目指しておりました。10代後半から数々の賞に応募して、毎回一次選考を突破できなかったそうですが、一度だけ一次選考で残ったことがありまして、その時には雑誌やらネットやらに名前が出て喜んでおりました。もしかすると、その時のペンネームを書けば、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、晒しが目的ではないので控えておきましょう。
その知人、実はラノベは全然読みません。いや、全然と言い切ってしまうと語弊があるかもしれません。かつては年に二、三冊は読んでいたようですが、最近、ラノベが全く読めなくなってしまったそうです。最後に読んだのは去年の夏のことだそうです。
「あれ、『狼と香辛料』はずっと読んでいるんじゃ?」
「ああ、でもあれつまんないから」
「な、なんと。謝れ! ホロに土下座しろ。ついでに、ロボとモロとポロとミロとロンとチロ*2にも謝れ!」と言いたいところを我慢して「でも、ラノベ作家志望なのにラノベを全然読まないってのは問題あるのでは?」と申し上げたのですが、この知人、最近は全然新人賞に応募していないそうで、毎日砂色の生活を送っているとのことでした。ラノベが読めない体質というのも大変です。
で、何が言いたいかといえば、特に何もないのですが、強いていえば、やっぱりいろんな小説が読める読書力があるほうがいいよね、という話なのでありました。おしまい。

*1:「そもそもラノベは小説ではない。小説とは似て非なる総合芸術なのだあぁぁぁっ!」という意見はスルーの方向で。

*2:それぞれ多摩動物公園にいるオオカミの名前。最近、赤ちゃんが生まれたらしい。