子供の発見/子どもの発見

Something Orange -  『ハリー・ポッター』中心史観の恐怖。*1でえらく批判されていたのでそそられて「1900年から2007年までの名作を紹介! ファンタジー今昔ものがたり」を見てみた。ファンタジーも児童文学もあまり詳しくないので、どの程度の偏りがあるのかはよくわからなかったが、それとは別に気になったのが、右横*2の記事だ。3つのページにそれぞれ「19世紀のファンタジー」「20世紀のファンタジー」「21世紀のファンタジー」という見出しの記事があるのだが、最初のページの「19世紀のファンタジー」の小見出しに「近代社会のひとつの特徴とも言うべき、「子どもの発見」」という小見出しがあり、次のように書かれている。

18世紀末、イギリス・ローマン派の詩人たちは、子どもの中にこそ人間が人間たる資質の存在することに気づく。彼らは、合理主義をすべてに優先させた近代市民社会の非人間性を認識する課程で、大人たちが失ってしまった貴重なもの(想像力や感受性)を、失わずに持っている子どもの存在に注目した。生命にあふれた子どもの姿、自由で生き生きしたその行動が、大人にとって持つ意味を発見したのだ。

あれ? 近代における「子供の発見」ってそういう意味だったっけ?

1番目にヒットしたページと2番目のページから引用してみよう。

ヨーロッパの意識の中に子供が出現したのは16世紀〜17世紀のころでありそれまでは子供は存在しなかった。なぜなら6歳までの幼児と7歳以降の大人という境目があっただけでどちらも現在のような子供の捉え方とはまったく違うものだったからである。今日において子供は普通、親にとってかわいい存在であり、また社会にも子供用の製品が溢れかえっている。しかし子供が存在しなかった時代には、もちろん子供用の衣服もおもちゃもなく赤ちゃんは包帯でぐるぐる巻きにされていたという。つまり社会に存在していたのは力の弱い大人と力の強い大人だけだったのである。

「子供の発見」という事をご存知でしょうか? これはある人の著書なのですが,「子供」という存在が発見されたのはそう古くはないのです. つい最近まで「子供」は存在していませんでした. そこに居たのは「半人前の大人」だったのです.

「ある人の著書」というのが具体的に誰の何という本を指しているのかは不明だが、すぐに思い浮かぶのは『〈子供〉の誕生―アンシァン・レジーム期の子供と家族生活』だ。こんな内容の本。
いや、もしかすると「子供の発見」と「子どもの発見」は別のことを言っているのかもしれない。
で、再度検索してみた。

教育関係の話題が多いようだ。なるほど、教育関係者の間では「子ども」のほうが標準になっているということか。
結局、イギリス・ローマン派の詩人による「子どもの発見」の詳細はわからなかった。尻切れトンボでごめんなさい。

追記

 むかむかした。萩(はぎ)じゃなくて荻(おぎ)だってば!!!

あっ、こりゃひどい。

*1:凄い見出しだ!

*2:閲覧環境によっては異なるかもしれない。