ポアンカレ予想と「失踪」した数学者

つい先ほど、NHKスペシャル「100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜」を見た。数学の難問のひとつポアンカレ予想を証明した天才数学者グリゴリ・ペレリマン博士の謎の「失踪」を扱った番組だ。「失踪」というのはNHKが勝手にそう言っているだけだ。ペレリマン博士の現住所はわかっているが、他人に会うことを拒絶しているようだ。でも「天才数学者 ひきこもりの謎」というタイトルにするわけにはいかなかったのだろう。そう考えるとなんだか笑いがこみ上げてきた。にやにや。
この番組を見る前にここを読んでいたので、今日の放送は再放送なのだろうと思っていたが、調べてみるとどうやら違うらしい。ハイビジョン特集「数学者はキノコ狩りの夢を見る〜ポアンカレ予想・100年の格闘」という番組が今月はじめに放送されていたようだ。内容紹介をみるとほとんど同じ番組のように思えるのだけれど、今日の番組のほうは60分しかなかったしキノコ狩りの話なんか出てこなかったので、たぶん地上波向けに再編集した短縮ヴァージョンだったのだろう。もしかするとロングヴァージョンのほうはペレリマン博士の「失踪」の理由を明かしていたのかもしれない。そう考えるとなんだか腹が立ってきた。むかむかっ。
なお、番組の中で紹介されるポアンカレ予想とか幾何化予想とかの説明はたとえ話を駆使したもので、その限りにおいては何となくわかったような気分になったが、この「わかった」はちょうど嘘つきパラドックスのたとえで不完全性定理が「わかった」のと同じようなもので、きっと全然わかってはいないのだろう。そう考えるとなんだか情けない気分になってきた。しょぼーん。