富士見ミステリー文庫ついに勝つ

たまに*1どうしようもなく馬鹿馬鹿しいことを考えることがある。
たとえば、以前、『影武者徳川家康』のパロディで、『影武者鮎川哲也』というのが書けないかと考えてみたことがあった。昭和40年代に本格派の驍将として奮闘していた鮎川哲也が社会派の放った刺客の手にかかって倒れるが「このまま本格の火を絶やしてはならない」と思い、影武者に後を託す。で、「鮎川哲也」の名を受け継いだ影武者は昭和40年代以降さまざまな作品を発表していくのだが……というお話。なんだかたいそう不敬な展開になりそうなので、自主的にボツにした。
で、このたび思いついたのが『連合艦隊ついに勝つ』のパロディで富士見ミステリー文庫の架空戦史(?)を語るというアイディアだ。とあるミステリ系ラノベマニアが富士ミスの歴史にどっぷりとのめり込み、「富士ミスには4つのキーポイントがあった。それに勝っていれば今頃は……」と夢想するわけですな。そこに謎の美女が現れてあれやこれやでタイムスリップし、まさに富士ミスにとって運命の決戦となった場面に現れ、歴史を改変していく。
たとえば、「富士ミスに投稿するつもりだったのに原稿打ち出しの不具合のせいで締切を逃し、かわりに別のラノベ新人賞に応募してしまった某作家のもとに現れてプリンターを与える」とか、「某作家の一般文芸進出への道を切り開いた他社の編集者が初めてその作家の本を手に取ったときに、中身を『リアル鬼ごっこ』にすり替えてオファーをかける意欲をなくさせる」とか、いろいろ頑張るのだが、せっかく某作家を富士ミスでデビューさせたのに2作出したところでスーパーブースト計画が発動してしまい、新路線にあわなくなってあえなく撤退。もうひとりの某作家は別の出版社の編集者が見初めてやっぱり一般文芸に進出してしまう。という具合に、ひとつひとつの戦いでは史実に反して勝利をおさめても、全体の流れを変えることはできなかったというオチになる。うん、これは(ごく一部の人にとっては)面白そうだ。
ただ、問題は富士ミスに「この戦いに勝っていれば……」というターニングポイントが果たして4つあったかどうかだ。あまりこのレーベルのよい読者ではないので、詳しいことがわからない。識者のご教示を待ちたい。ついでにいえば、代わりに書いてくれるとなお有難い。

*1:ごくたまに、だ。いつも変なことばかり考えているわけではないのは、この日記を通読すればわかる。