下流新書が出版業界を滅ぼす!

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書)

見出しはネタです。つい思いついてしまったのです。
自動車学校に勤めている知人が「最近の大学生は……」と愚痴っていたのを聞いたことがある。漢字が読めないからペーパーテストの設問の意味がわからず、何度挑戦しても必ず失敗し、とうとう期限までに卒業できずに高い教習料が全部無駄になってしまった、というような話をいくつも聞かされた。
それが記憶に残っていたので、書店の平台に積んであったこの本のタイトルを見て興味をそそられ、読んでみたのだが……。
本文は口述筆記でひたすら軽く、時事放談のような感じ。内容ゼロとは言わないけれど、新書というよりブックレットレベル。大学教授などから聞き取ったエピソードの数々は面白かったけれど、手許において何度も読み返したり何かの機会に引用・参照するほどではない。いちおう、現状を変えるための「提言」もあるのだけど、それも思いつきの域を出ていない。典型的な読み捨て本でした。
偉い人はこんな本でも商売ができるんだなぁ、と感心。著者にかわって取材をしたスタッフの方はご苦労さまでした。