空地烏徳

昨日と今日で四国内で乗り残していた鉄道*1をすべて乗り終えた。ついでに梅津寺パークに行ったことは昨日書いたとおりだが、そのほか道後温泉共同浴場「椿の湯」にも行った*2。名湯が塩素に汚染されているのは悲しかった。
今日は、鉄道のほか四国村に行くことを予定していたが、昨日まで天候があまりよくなかったので、もし雨だったらやめておこうと思ったのだが、幸い今日はいい天気だったので、予定通り四国村に行った*3琴電屋島駅に降り立つと、目前に今はなき屋島ケーブルが見えて、非常に悔しかった。一回乗るチャンスがあったのだが、特に理由もなくその機会を逃してしまい、結局未乗のままだったのだ。それはともかく、四国村は今でも元気に営業中で、この種の野外博物館にしては意外なほど繁盛していた。
四国村の中には、安藤忠雄が設計した四国村ギャラリーという美術館があり、古民家の建ち並ぶはずれにコンクリート打ち放しの場違い感漂いまくりの姿を晒していた。ちょうど安藤忠雄に都市を語る資格はあるか - concretismを読んだばかりだったので、注意して壁をみると、なるほどどのコンクリート板にもくぼみ*4がきっちり6個ずつあった。安藤忠雄の建築物などあちこちで見ているのに、今までくぼみの数に注目したことなど一度もなかったし、くぼみの数が一定であることが不自然だとは思ってもみなかった。藝術を鑑賞するには知識は不要だという考え方もあるだろうが、知っているのと知らないのとでは見方が全然違うのも確かだ。
四国村ギャラリーの前にある「水景庭園」には水が流れていて、春の陽光を受けて光り、非常に素晴らしい眺めだったが、ギャラリーそのものはあまり感心しなかった。兵庫県立美術館*5が典型的*6だが、展示品を見ているうちにひどく疲労が溜まってくる。この人、動線をあまり考えていないんじゃないかと思う。
本来の計画では四国村の後はさっさと帰る予定だったのだが、あちこちに貼ってあるポスターを見て気が変わり、高松市美術館にも行くことにした。いま世界に誇る和製テーブルウェア オールドノリタケと懐かしの洋食器*7という展覧会が開催されている。これは、東京都庭園美術館をはじめ*8各地を巡回してきたが、高松市美術館で最後なので、この機会を逃すとみることができない。別に見逃したら惜しいというほどのものでもないような気もするが、全く興味がないというわけでもないので、この機会にみておくことにした。
陶器そのものについては「きれいだなぁ」という以外の感想はなかったが、参考展示のパネルの絵に書かれていた「空地烏徳」という人物名が衝撃的だった。
さてここで問題です。空地烏徳とは誰のことでしょう。
答えはこちら
これ、ルビ振っていないと読めませんよ。

*1:伊予鉄道の郊外線と高松琴平電気鉄道琴平線長尾線

*2:道後温泉本館は人がいっぱいだったので玄関だけ見てスルーした。

*3:おお、なんとひどい文だ!

*4:ぼそぼそと型枠について語る - concretism参照。

*5:今みたらトップページのタイトルが「芸術の館 兵庫県立美術館 神戸 ウィーン美術史美術館 所蔵 静物画の秘密 ブログ 最新情報/ HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART artm」になっていて、アダルトサイトみたいな下品さに呆れた。

*6:ほか、アサヒビール大山崎山荘美術館地中美術館にも行ったことがあるが、どちらも二度と行く気がしなかった。兵庫県立美術館はわりと興味深い展覧会が開かれるので何度か訪れたことがあるが、行くたびに足が棒になったような気がしてうんざりする。

*7:このページのタイトルは「世界に誇る和製テーブルウェア<br>オールドノリタケと懐かしの洋食器:高松市」となっている。タイトルには改行タグが使えないのだが……。

*8:これが最初だったと思うが、図録を買っていないので確認できない。間違っていたらごめん。