ジャスコが高める田舎の「文化的な水準」

ファスト風土とか言ってジャスコ批判している人って、今の田舎でジャスコがどんだけ文化的な水準を高めるために貢献しているか知らないでしょう。

「文化」という言葉にはふたつの意味がある、という話を昔聞いたことがあるる。

  • 「未開」の対義語としての「文化」。「文化包丁」「文化住宅」など。
  • 「自然」の対義語としての「文化」。「文化遺産」「文化人類学」など。

「文化的な水準」という言い回しは前者の意味での「文化」に関わるものだと思うが、後者の意味での「文化」についてもし水準を測ることが可能だとすれば、その指標は多様性や独自性などに求められるだろうと思う。その観点からいえば、ジャスコが田舎の「文化的な水準」を高めるのに貢献しているとは言い難い。
ファスト風土」というキーワードをもとにジャスコ批判をする人に対して、ジャスコが「文化的な水準」を高めていると指摘したところで、拠って立つところが違いすぎて議論がかみ合わないだろうなぁ、と思った。

ファスト風土化する日本―郊外化とその病理 (新書y)

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ところで、三重県にある志摩スペイン村は田舎の*1「文化的な水準」の向上に貢献しているのだろうか、というような疑問をふと思いついてしまったのだがそれはまた別の話。

*1:と言ってしまうと失礼かもしれないが、まあ都会でないことは確かだろう。