今、日本にボールペンは何本ありますか?
エントリーシートと同じく、ちゃんと面接の準備ができているかの確認をします。よく使う質問は、「今、日本にボールペンは何本ありますか?」というものです。ここで確認するのは、どれだけ正確な本数を計算できるかではなくて、回答に行きつくまでの思考方法を確認します。
この回答例としては「ボールペンは学校とオフィスで主に使われている。まず学校には教室が15ほどあり、1クラスは30人前後。1人につき5本ボールペンをもっているとすると?」という風に想定して単純に計算していくんです。
今、日本にボールペンが何本あるのかを考えるなら、まずは経済産業省生産動態統計調査の繊維・生活用品統計あたりを参照すべきではないかと思う。それと、財務省貿易統計とを付き合わせれば、かなりのところまで迫れるのではないだろうか。もちろん、どれだけ資料を積み上げたところで、推定は推定に過ぎないのだけど、統計データの裏づけもなしに学校の教室数や、1クラスあたりの人数などを勝手に見積もるのに比べればましだろう。
上で引用した文章は、就活に立ちはだかる人事採用のプロという“バカの壁” - satologで紹介されているのを読んで知ったのだが、そこでは次のようにコメントされている。
この手の話、どっかで読んだ覚えがある。数年前にその手の本が売れて、一時マスコミでも取り上げられたことがあると思う。言わば面接する方もそうしたネタを猿真似してマニュアル化し、それが最先端の能力判定法と本気で信じているらしい。
【略】
こんなとんち教室、テレビのクイズ番組程度の下らない推論をさせてマニュアル通りに思考法を確認している人事担当者こそがほとんど思考停止人間の塊なんだろう。
マニュアル化されているのか……。
さらに、はてなブックマーク - 就活に立ちはだかる人事採用のプロという“バカの壁” - satolog経由で「フェルミ推定」という言葉を知った。
フェルミ推定(-すいてい、Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算すること。オーダーエスティメーションともいわれる。
その際の問いかけのほうをフェルミ問題(-もんだい、Fermi problem/Fermi question)と呼ぶことがある。名前は物理学者のエンリコ・フェルミに由来する。フェルミはこの手の概算を得意としていた。
フェルミ推定はコンサルティング会社や外資系企業などの面接試験で用いられることがあるほか、欧米では学校教育で科学的な思考力を養成するために用いられることもある。
フェルミ推定という語句が日本に入ってきたのは、『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス』(スティーヴン・ウェッブ著、松浦俊輔訳、青土社、2004年、ISBN 978-4791761265)が最初だろうと細谷功は述べている。ただしこのような考え方自体は、大学の授業などで教えられていた。
いろいろと思うところがあるのだが、うまくまとめられないのでパス。