カーミラ、モレラ、その次はオルラ?

そろそろアニメ化も噂される人気シリーズ第6弾。今回はソヴュール王国を遠く離れた東欧のリトアニアが舞台となっている。
未読の人の興を殺ぐといけないので内容には深入りしないが、もしかしたら既読の人でも見落としているかもしれない点をいくつか指摘しておこう。

  1. 第四章と第五章の間に挿入された「黒死病の仮面」と題するエピソードの元ネタは、エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』。
  2. 作中に登場するチェス・ドールは18世紀から19世紀にかけて欧米で評判になった自動チェス人形をモデルにしたもの。この人形のからくりをエドガー・アラン・ポーが『メルツェルの将棋指し』で推理している。
  3. 作中で重要な役割を果たすフェル姉妹の姉の名「カーミラ」は『吸血鬼カーミラ』に由来するのだろう。とすると、妹の名「モレラ」はエドガー・アラン・ポーの『モレラ』からとったものだと思われる。

探せばまだほかにもあるかもしれないが、とりあえず気づいたのはこれだけ。
シリーズ初の前後篇*1ということで、事件の謎が中途半端にしか解かれていないので、ややもやもやとした読後感が残る。早く続篇が読みたいものだ。

*1:いや、次で完結するとはどこにも書かれていないので、もしかしたら前中後篇かもしれない。