赤い林檎も皮剥きゃ白い

電撃hp (Volume44)

電撃hp (Volume44)

支倉凍砂の『狼と香辛料』シリーズの短篇が掲載されているので、生まれて初めて「電撃hp」を買った。ちょっと不経済な買い物だが、ホロに「わっちの物語を読んでくりゃれ」とせがまれたので仕方ない。ついでにチョコレートがたっぷりと入った大甘のカレーライスも奢らされた。あれ? 中世ヨーロッパにはチョコもカレーもなかったはずだが……。あ、そうか。中世「風」だからいいのか。
……さて、抱き枕の梱包に戻ることにしようか。
だが、その前に、件の短篇「林檎の赤、空の青」の感想を簡単に書いておこう。この小説のストーリーはひと言で要約できる。「ロレンスがホロのために服を買ってやる話」、ただそれだけだ。それはもう見事なくらいに内容がない。だが「内容があって面白い小説を書くのは小説書きなら当然のこと。内容がなくても面白い小説が書けるのがプロだ」と言われる*1。そして、支倉凍砂はプロ作家だ。内容がなくて、かつ、面白い小説に仕上がっていて、非常に楽しめた。
最後のページの最下段を読み終えた瞬間、最近あちこちで見かけるフレーズ*2がふと浮かんだ。そのフレーズとは……
狼と香辛料 (3) (電撃文庫)』123ページ8行目最初のロレンスの台詞だ。

*1:出典は不明だが、少なくとも今ここで言われているのは確かだから、何も嘘はついていない。

*2:2ちゃんねる起源だと思うが、違うかもしれない。