ネットの果てで“blog”と叫んだ果物(偽)

何か気の利いた見出しにしようと小一時間考えたのだが、結局意味不明な捩りになってしまった。果物とは全く関係ない。「人間だもの」にしておけばよかったか。
さて、記念すべき「mesh騒動」*1から今日で4周年*2だそうだ。つい昨日のこと*3のような気がするのだが、もうあれから4年も経ったとは……。


最近はアルファベットで「blog」と書いているのを見るよりも、カタカナで「ブログ」と書いているのを見ることの方が圧倒的に多いような気がします。自分でもいつの間にかカタカナの方を多用していたのに気付きました。これはコンピュータ系の情報サイトや、ポータルサイトなどで、「blog」というシステムが紹介される際、初めての方にも受け入れやすいように、「blog」→「ブログ」と、日本人として馴染みやすいようにカタカナ外来語として認識させる技なのかもしれない。今ではすっかり、カタカナの「ブログ」という言葉は、ネット上では馴染んでいると思います。
とはいえ、未だに「blog」にも「ブログ」にも馴染んでいない人間もネットの片隅には生存している。かくいう、当日記管理人もその一人で、未だに地の文では一度も「ブログ」という言葉を使ったことがなく、「ウェブログ」とか「ウェブ日記」などを使っている。「ブログ」という言葉に恨みがあるわけではないのだが、かつては嘲笑と冷笑をもってウェブ日記系の人々に迎えられたこの言葉がいつの間にか市民権を得てしまい、しかも、かつて嘲笑と冷笑をもって迎え入れたはずの人々すらも平然とためらいなく用いているかのように見える*4ことがどうにも不気味で気持ち悪い*5からだ。もちろん、ここ数年の間にネットに新規参入した人にとっては全く関係のないことだし、それ以前から活動している人でも、皆が皆「mesh騒動」に関わっていたわけではない。「ブログ」への抵抗感の表明はあくまでも個人的な叫声であり、他人への何らかの強制ないし矯正を意図してはいない。
個人的に使用を控えている言葉はほかにもある。ウェブログ関係だと「エントリー」もなるべく使わないことにしている。この言葉を見聞きするだけで美人コンテストを連想してしまうせいだ。かわりに「記事」とか「項目」とか「文章」を文脈に応じて使い分けることにしている。
別の分野の言葉だと、「目線」も使わない。訓読みの「め」と音読みの「せん」がひっついた湯桶読みが気持ち悪い*6。単に「目」と言い換えたり、「視線」「視点」と言えば大抵の場合は問題がない。
ほかには……ああ、「真逆」も使わないな。「正反対」でいいじゃないですか。
もう一つ、これは今までの例とは全く別のレベルの話になるのだが、「本格」という言葉は、「本格ミステリ」とか「本格探偵小説」とか、そういった文脈では使わないことにしている。大雑把な話をするときには単に「ミステリ」とか「探偵小説」とか言っておけば通じるのだし、多少とも厳密な議論をする場では、定義不能の「本格」など持ち出しても混乱のもとになるだけだ。これは、10年くらい前からの持論で、かつては強制または矯正を意図していたこともあるが、今ではただの叫声に過ぎない。強勢ある人々との共生のためには多少の妥協はやむを得ない。

*1:この騒動はリアルタイムで観察していたが、「mesh騒動」という名称は今日はじめて知った。

*2:リンク先では「5周年目」と書いて註釈をつけているが、これは日本語としてどうなのだろう? 「5周年」は「満5年」と同じことでは?

*3:もちろん、本気で昨日のことだと思っているわけではない。昨日は午前中は朝寝をして、午後は米で作ったパンを買いに遠出をしたので、ネットを巡回する十分な時間がとれなかった。ちなみに、そのパンは残念ながら米100パーセントではなく、小麦グルテンを配合している。小麦アレルギーの人でも安心して食べられる、真の「ジャぱん」が開発されることを期待したい。

*4:本当に平然とためらいなく用いているのかどうかは、もちろん本人しかわからないことなので、強く主張するつもりはない。また、かつて嘲笑と冷笑をもって迎え入れられたという記憶も、一面的で誇張された不正確なものだという可能性もある。

*5:関西弁だとひと言「気色悪い」で済むのだが、標準語には「気色悪い」にそのまま対応する言葉がないため「不気味で気持ち悪い」と表現してみた。しかし、これでニュアンスがうまく伝わるかどうか若干不安もある。

*6:ただし、別に気色悪いわけではない。