ラノベよりは読みにくい
- 作者: ロレンス・スターン,朱牟田夏雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- 作者: ロレンス・スターン,朱牟田夏雄
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思い起こせば、『トリストラム・シャンディ』という小説があることをはじめて知ったのは高校生の頃だった。確か、論理パズル関係の本でラッセルの「トリストラム・シャンディのパラドックス」を紹介していたのを読んだはずだ。
その後、某古書店で実物を見かけたのだが、3冊揃いで5000円くらいだった。当時は定価より高い古書価の本には手が出せなかった。
さらにそれから数年後、岩波の復刊フェアか何かで出ているのを書店で見かけたが、その頃は読書意欲がどん底にまで落ちていて海外ものはミステリですらほとんど読めない状況だった*2ので、「まあ、そのうち……」と思っていたらいつの間にか書店から消えた。
そらそれから悠久の時間が流れ、昨年、ここを見て、「ああ、そういえばそんな小説もあったなぁ」としみじみと思ったものだが、やはり書店で見つけることはできなかった。
今、上巻の奥付をみると2007年5月23日発行の第13刷*3だそうだから、たぶんわりとちょくちょく増刷されていたのだろうとは思うのだが、たまたま巡り合わせが悪かったのだろう。
たまたま今日はむしゃくしゃしていて何でもいいから本が買いたい気分だったのだが、この上中下巻本はその気分にぴったりだったのだ。あ、『脳Rギュル ふかふかヘッドと少女ギゴク (ガガガ文庫)』を買うのを忘れた。
さて、どうせ読み通せるわけないとはなから諦めてはいるものの、いちおう最初のページ*4くらいは目を通しておこう。そこにはこんなことが書いてある。
私めの切な願いは、今さらかなわぬことながら、私の父か母のどちらかが、と申すよりもこの場合は等しくそういう義務があったはずですから、なろうことなら父と母の双方が、この私というものをしこむときに、もっと自分たちのしていることに気を配ってくれたらなあ、ということなのです。
まことに古典文学らしい格調と香気に満ちた書き出しだ。