五月雨

上の文章を書いているさなかに、ふと『赤朽葉家の伝説』の番外篇のことを思い出した。いや、番外篇というと語弊があるかもしれないが、ぶくぷく茶が出てきたから同じ世界を舞台にした物語だったはずだ。さて、その作品のタイトルは何だっただろうか?
いろいろ調べてみて、昨年の「オール讀物」7月号に掲載された「五月雨」という短篇らしい、と見当をつけたのだが、どうにも不安なので「桜庭一樹」と「五月雨」で検索してみた。誰かレビューを書いていないかと期待したのだ。だが、出てくるのは『青年のための読書クラブ』の登場人物「五月雨永遠」と、『少女七竈と七人の可愛そうな大人』の幕間の章「五月雨のように」のことばかり。文芸雑誌がいかに読まれていないかがよくわかった。