先生!幻想譚グリモアリスは新規作品部門ですか?

実を言うと、上記の記事が書かれた時点ではライトノベルサイト杯の開催は危ぶまれていました。

まぁ、諸般の事情というやつです。

その後、状況は好転したので無事開催できそうな見通しです。

やることが多すぎてめまいがしますが、まぁやるしかないですね。

……というわけで、2008年上半期ライトノベルサイト杯が開催される見込みとなったわけだが、例によって「一本足の蛸」は参加しないので、先に勝手にひとりで上半期のベストを選んでしまうことにする。
今回のルールはまだ発表されていないので、2007年下半期ライトノベルサイト杯 開催のお知らせ - 平和の温故知新@はてなに拠って、次の2部門に各5作品ずつ投票することにした。
「新規作品部門」=「2008年1月1日以降の日付で新規に発表された作品」
「既存作品部門」=「2007年12月31日以前に発表された作品を持つシリーズ」(期間中に新刊が無いシリーズは除外します)

新規作品部門

マーベラス・ツインズ』(古龍/GAMECIY文庫)

……いきなり海外物から始めてしまった。
新派武侠小説御三家のひとり、古龍の『絶代双驕』の本邦初訳だが、どの程度ラノベ的アレンジが施されているのかはわからない。非ラノベレーベルから出ている古龍作品とあまり雰囲気は違わないので、かなり原典に忠実なのではないかと思うが、原作とストーリーの順序が違っているという話も聞く。
無印の『マーベラス・ツインズ』が3巻まで出て、次は4巻かと思ったらなぜか『マーベラス・ツインズ契』というタイトルになり巻数も1巻に戻った。もしかして、あまり売れていないのだろうか?
でも、CDドラマとかマンガとかメディアミックスしているのだから、小説版が中絶することはないだろう。いつの間にかGAMECIY文庫 マーベラスツインズ オフィシャルサイトなんてのも出来ているくらいだし。
さて、積ん読のままになっている『契』でも読むか。

SH@PPLE』(竹岡葉月富士見ファンタジア文庫

かつて、富士見ミステリー文庫はミステリとは縁もゆかりもない作品を多く出して「富士見ミステリアス文庫」と呼ばれた。その伝でいけば、『SH@PPLE』を出した富士見ファンタジア文庫は今後「富士見ファンタスティック文庫」と呼ばれることになるだろう。スーパーナチュラル要素皆無の明るく楽しいL・O・V・Eコメディだ。
2巻ではお約束のお風呂でドッキリ!シーンもあるのに全然エロくないのは美点か欠点か。ドタバタ、ハチャハチャ続きで本来の目的からどんどん離れている主人公に未来はあるのか? いま最も目が離せないラノベシリーズのひとつといえよう。
マーベラス・ツインズ』がラノサイ杯で上位に入ることは考えられないが、こっちは5位以内に入ること間違いなし!

とある飛空士への追憶』(犬村小六ガガガ文庫

ごめん……これ外せない。

『ぶよぶよカルテット』(みかづき紅月一迅社文庫

やー、『銀狼王女』読んだときは本当にもうどうしようかと思ったけど、これは素晴らしく面白かった。
音楽ネタ、しかもエリック・サティ万歳!な内容だけに万人向けではないかもしれないが、サティの音楽を聴いたことがなくても楽しめるはず。
『ぶよぶよカルテット』と同月発売の『サムライエイジ』は未読だが、そっちもそのうち読んでみたい。あらすじを見た感じだと『サムライガール』とはかなり違っているようだし。

『小学星のプリンセス☆』(餅月望/集英社スーパーダッシュ文庫

最後の1作は『ライトノベルの楽しい書き方』(本田透GA文庫)にしようと思っていたのだが、5作並べると新人デビュー作が1作も入っていないことに気づき、差し替えることにした。そういう次第なので、やや御祝儀含みのベスト入りだけど、でも面白いことに違いはない。
あ、新人のデビュー作ということなら『死神のキョウ』(魁/一迅社文庫)でもよかったのか……。

既存作品部門

えむえむっ!』(松野秋鳴MF文庫J

台湾では『MM一族』というタイトルで出ているらしい。変態のパワーは国境を越えるものだ。でも一族全員がMじゃなかつたはずだが……。日本語と「一族」の意味が違うのか?

たま◇なま』(冬樹忍HJ文庫

毎回、出だしは快調なのに途中からどんどん重い展開になっていくシリーズ。でも次の巻てではまた軽い雰囲気に戻っているのが不思議だ。
既刊4冊……だったが、そろそろ5巻めが出ているはず。早速明日買ってくることにしよう。

神様のメモ帳』(杉井光電撃文庫

才人、杉井光の最高傑作シリーズ。打ち切りされたかと思っていたが、今年、奇蹟の復活を遂げた。『さよならピアノソナタ』も悪くはないのだけど、どちらか1冊ということなら迷わずにこちらを推す。
今年5月から始まった杉井光毎月連続刊行は8月まで続く見込みだ。今月発売の『さくらファミリア!』で10作めとなる杉井光に注目せよ!

夜想幻想譚グリモアリス』(海冬レイジ/富士見ミステリーファンタジア文庫

今年5月に1巻が出たばかりの新シリーズだが、既存作品部門に入れておこう。ラノサイ杯ではどっちにカテゴライズされるのだろうか?

狼と香辛料』(支倉凍砂電撃文庫

一般オタより約1年先行しているラノベオタの間ではもはや見向きもされなくなっている『狼と香辛料』だが、なんと2007年上半期の期間中に2冊も出ているのだ!
かつての栄光を偲びつつ、悲哀を込めて1票を投じることにしよう。どうせ、ラノサイ杯で上位に食い込むことはないだろうし。