早川徳次vs.五島慶太(vs.佐藤栄作)の熱い闘い

地下鉄は誰のものか (ちくま新書)

地下鉄は誰のものか (ちくま新書)

この本は発売前から注目していたのだが、いざ読んでみると予想を大きく上回る面白い読み物だった。
『地下鉄は誰のものか』の本題は東京メトロ都営地下鉄の一元化だが、それについては特に目新しい論点はなかったと言ってよい。むしろ、この本の読みどころは「地下鉄の父」こと早川徳次と「強盗慶太」こと五島慶太の闘いを描いた箇所にある。本題からすれば大いなる脱線ともいえるが、終章を含めて全7章のこの本で、第4章から第6章まで3章に渡って繰り広げられる歴史絵巻は決して余談などではない。むしろ、この中間部分だけ取り出して1冊にまとめてくれたほうがよかったと思うほどだ。
いい本を読ませてもらいました。