継続は力なり

誰が言い出したのかは知らない*1が「継続は力なり」ということばがある。小さなことからこつこつと積み重ねていけば、やがて大きな成果を得ることができる、というような意味だと理解しているのだが、どうにも釈然としない。
努力すれば見込みのある事業に対して「継続は力なり」と評するのは構わないとして、世の中にはどんなに頑張っても報われることのない企てというものもあって、そういう無謀な行為をこつこつと飽きることなく繰り返している人向かって「継続は力なり」などと言ってしまうのは、非常にむごいことではないのか。「命短し襷に長し」ということばもある*2。無駄なことに時間を浪費して取り返しのつかないことになったとき、「継続は力なり」ということばは何の足しにもなりはしまい。
……というようなことを書くと、敗北主義者だと謗られそうだ。若干その気があることは認める。だが、それだけではない。何か事を起こすには思慮が必要で、考えなしに労力だけ費やしても甲斐がない、と言いたいのだ。
ところで、5年前にも継続は力なり - 一本足の蛸という同じ見出しで雑文を書いている。今の今まですっかり忘れていた。

*1:「継続は力なり」の出典は? - 国語 - 教えて!gooでは2つの説が紹介されていた。

*2:たしか星新一のことばだと思うが違ったらごめん。