都道府県別50歳未婚率

生涯未婚率 - 一本足の蛸のつづき。
ふと思い立って、都道府県別の未婚率のグラフを作ってみることにした。

いわゆる「生涯未婚率」はちょうど50歳の時の未婚率を前後5歳ずつの未婚率から推計したものだが、平均をとるのが面倒なので、ここでは国勢調査基準日現在で50歳、すなわち当日に50歳になった人から51歳になる前日の人までを含む層のうち、未婚者の占める割合を単純計算して表した。そのため「生涯未婚率」という言葉は用いず、以下「50歳未婚率」と称することにする。
直近の2010年国勢調査のデータのほか、その25年前の1985年国勢調査のデータも重ね合わせて表示したので、この間に50歳未婚率がどのように増加したのかを見てとることができる。生涯未婚の男性、2割を突破…30年で8倍 : ミックスニュース : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)では30年前の1980年国勢調査のデータと比較しているので、同様にすればよかったのだろうが、政府統計の総合窓口で提供されている国勢調査のデータは1980年までは報告書をPDF化したものでデータベース化されていない。いちいち手入力するのが面倒だったので、1985年のデータを用いた次第。
こうやってグラフにしてみると、25年間に50歳未婚率が増加しているということのほか、次のような特徴が見てとれる。

  • 1985年には男女間で50歳未婚率に大きな差はないが、2010年には男のほうが50歳未婚率がずっと高くなっている。
  • 都道府県別でみると、男の50歳未婚率は東京都と沖縄県が他の道府県より高い。

これらの特徴がもつ意味はよくわからないが、直ちに健康に影響はないものと思われる。
参考のために、このグラフの元の表も掲げておく。

区分 1985年 男 1985年 女 2010年 男 2010年 女
全国 3.7% 4.3% 19.3% 9.9%
北海道 2.9% 3.5% 18.4% 12.8%
青森県 2.3% 3.4% 19.8% 9.5%
岩手県 2.2% 3.3% 22.3% 8.3%
宮城県 2.5% 3.0% 18.8% 8.5%
秋田県 2.4% 2.8% 19.4% 8.2%
山形県 2.1% 2.9% 18.1% 6.1%
福島県 2.9% 2.7% 19.7% 7.0%
茨城県 3.7% 2.6% 19.4% 6.4%
栃木県 3.8% 3.1% 20.1% 7.1%
群馬県 3.5% 3.7% 19.8% 8.5%
埼玉県 3.2% 3.1% 20.4% 8.5%
千葉県 3.2% 3.2% 19.8% 9.0%
東京都 6.7% 8.3% 24.1% 16.7%
神奈川県 4.6% 4.2% 20.9% 10.2%
新潟県 2.5% 3.2% 20.5% 7.7%
富山県 2.1% 2.2% 16.6% 6.4%
石川県 2.2% 3.2% 16.8% 7.1%
福井県 2.1% 2.8% 14.3% 4.7%
山梨県 4.0% 3.7% 18.8% 7.6%
長野県 2.7% 4.0% 18.0% 7.8%
岐阜県 2.3% 2.9% 14.8% 6.2%
静岡県 3.1% 3.5% 19.8% 8.2%
愛知県 3.3% 3.9% 17.8% 7.6%
三重県 2.7% 3.5% 15.9% 6.5%
滋賀県 2.5% 2.9% 14.0% 5.7%
京都府 3.7% 5.6% 18.3% 10.8%
大阪府 4.8% 5.3% 19.9% 12.6%
兵庫県 3.6% 4.5% 16.9% 10.1%
奈良県 2.5% 3.6% 13.1% 8.2%
和歌山県 4.1% 4.2% 15.9% 8.1%
鳥取県 3.0% 2.7% 17.3% 6.9%
島根県 3.6% 3.1% 19.1% 6.2%
岡山県 2.7% 3.0% 17.2% 7.7%
広島県 3.1% 3.4% 16.8% 8.6%
山口県 3.6% 3.8% 17.7% 9.3%
徳島県 3.3% 3.2% 16.9% 7.9%
香川県 2.9% 3.0% 16.0% 7.0%
愛媛県 3.0% 4.1% 18.1% 9.4%
高知県 4.8% 4.1% 21.8% 11.9%
福岡県 3.4% 4.9% 17.9% 11.7%
佐賀県 2.4% 3.8% 17.1% 9.2%
長崎県 3.3% 4.4% 19.6% 11.1%
熊本県 3.1% 4.9% 17.4% 9.9%
大分県 2.5% 3.6% 16.2% 9.3%
宮崎県 2.6% 3.8% 17.1% 9.1%
鹿児島県 3.5% 5.3% 19.6% 9.6%
沖縄県 7.6% 5.1% 25.0% 11.6%

ところで、未婚率算出にあたっては、配偶関係不詳の人数を総数から除いた数値を用いている。つまり、国勢調査で配偶関係についての申告を拒否した人は「いないもの」として扱っているのだ。一方で、年齢が50歳だとわかっているのだから、申告を完全に拒否したのではなく、配偶関係についての質問を忌避した人々ではないかと考えられる。
ついでなので、都道府県別50歳配偶関係不詳率のグラフも作ってみた。特にコメントはしないが、興味のある方は参照してください。