東経136度58分の町

愛知県東浦町の前副町長が統計法違反の容疑で逮捕されたそうだ。
検索して見つけた記事に、順不同でリンクを張っておく。

ざっと見て、「おやっ」と思った記述があった。

市への昇格を目指していた愛知県東浦町の10年の国勢調査で居住実態のない調査票が大量に見つかった問題で、県警は22日、意図的に人口を水増ししたとして、前副町長の無職、荻須(おぎす)英夫容疑者(63)=同町緒川屋敷壱区=を統計法違反容疑で逮捕した。県警は、町幹部が主導した悪質な組織的不正とみて異例の強制捜査に踏み切った。県警によると、同法による逮捕は全国初。

全国初?

警察庁によると、国勢調査で人口を水増しした事件は、1972年に北海道羽幌町長や町幹部が統計法違反容疑で書類送検され、翌年に有罪判決を受けた例がある。

羽幌町人口水増し事件は知る人ぞ知る事件だが、愛知県警はこの事件を見落としていたのだろうか?
いや、そうではない可能性も考えられる。羽幌町の事件が発生したのは1970年国勢調査のことで、当時の統計法(昭和22年法律第18号)と現在の統計法(平成19年法律第53号)は法律番号が異なるから、別の法律だと考えられる*1。そうすると、現行の統計法による逮捕が全国初であったとしても、まあ、おかしくはない。
しかし、「全国初」というのはかなり紛らわしい表現なのではないか、というのが素朴な感想だ。

*1:一方、旧統計法を廃止して新統計法を制定したのではなく、旧統計法の全部を改正するという方法をとっているので、同じ法律だと考えることもできる。